災害ボランティアに行く前、
「体力は必要そうだけど、心の準備って何をすればいいのか」
「現地でつらくなったらどうしよう」
「自分はメンタルが強くないから不安」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、災害ボランティア前に本当に必要なのは、“強い心を作ること”ではなく、“崩れにくい準備をしておくこと”です。
日本赤十字社の防災ボランティア基礎研修でも、災害時の基礎知識や実技だけでなく、ボランティア自身の心の問題を軽減するためのこころのケアを事前に学ぶ時間が設けられています。
また、厚生労働省のPFA資料では、支援者のストレス対処として、休息、食事、水分、同僚との支え合い、過去に役立った対処法の確認などが勧められています。
防災士として率直に言えば、災害支援で後から崩れやすい人は、弱い人ではありません。
むしろ、真面目で、責任感が強く、頑張りすぎる人の方が危ないことがあります。
だから災害ボランティア前は、「根性を上げる」より、自分が崩れやすい場面を先に知っておくことの方がずっと現実的です。
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■① まず前提として、事前の“こころの準備”は公式にも重視されている
災害ボランティア前の準備というと、持ち物や服装、現地ルールに意識が向きやすいです。
もちろんそれも大事です。
でも、日本赤十字社の防災ボランティア基礎研修では、災害時の活動前に、こころのケアについて事前に学ぶ時間が設けられています。
これはかなり大きい意味があります。
つまり、支援活動では「現場に入る前に心の準備をすること」が必要だと、公式にも考えられているということです。
防災士として言えば、災害支援は善意だけで行けるものではありません。
善意は大事ですが、それだけだと現場で心が追いつかないことがあります。
だから、事前トレーニングは気休めではなく、かなり実用的な予防策です。
■② 事前トレーニング①|まず睡眠と生活リズムを整えておく
一番最初にやるべきなのは、特別なメンタルトレーニングではありません。
睡眠と生活リズムを整えることです。
厚生労働省のPFA資料でも、支援者のストレス対処として、休息や食事、水分といった基本的な自己管理が重視されています。
つまり、心を強くする前に、まず体を崩しにくくする必要があります。
具体的には、
・夜更かしを減らす
・出発前の数日は睡眠不足を作らない
・朝型に寄せる
・食事を抜かない
・水分不足を防ぐ
ことです。
防災士として率直に言えば、現地で崩れやすい人は、気持ちより先に生活の土台が崩れていることが多いです。
だから、ストレス耐性を上げる最初の準備は、意外ですが規則正しい生活です。
■③ 事前トレーニング②|“何を見てもおかしくない”と先に理解しておく
災害ボランティアで心が揺れやすくなるのは、現場の現実が想像を超えるからです。
被災状況、生活環境、におい、被災者の言葉、沈黙、怒り、無力感。
こうしたものに触れた時、人は思っている以上に反応します。
だから、事前に必要なのは「大丈夫」と言い聞かせることではなく、
自分は強い刺激を受けるかもしれない
と理解しておくことです。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、現場で一番危ないのは、何も感じない人ではなく、
「自分は平気なはず」
と過信して入ることだと感じます。
怖い、つらい、しんどい、そう感じてもおかしくないと先に知っておく方が、かえって崩れにくいです。
■④ 事前トレーニング③|自分の“崩れ方”を先に知っておく
ストレス耐性を上げる上でかなり重要なのが、自分の反応パターンを知ることです。
たとえば、
・疲れると黙り込む
・不安が強いと食欲が落ちる
・責任感が強くなると休めなくなる
・つらいことがあると怒りっぽくなる
・寝不足で集中力が落ちる
といったことです。
厚生労働省のPFA資料でも、過去に役立った対処法や、自分が強い気持ちでいるために何が必要かを考えることが勧められています。
防災士として言えば、災害ボランティア前に一番強い人は、最強の人ではありません。
自分が崩れる前のサインを知っている人です。
ここが分かっていると、現場で早めに休む、共有する、離れる判断がしやすくなります。
■⑤ 事前トレーニング④|一人で抱えない仕組みを作っておく
災害ボランティア前にやっておきたいのが、帰ってきてから話せる相手を決めておくことです。
現場では、
「みんな頑張っているから自分も」
「これくらいで弱音は言えない」
と思いやすいです。
だからこそ、事前に
・帰宅後に連絡する相手
・不調が出た時に相談する先
・一緒に活動する仲間との共有ルール
を決めておくとかなり違います。
日本赤十字社も、災害救護ではこころのケア要員や専門支援につなぐ仕組みを持っています。
つまり、支援者が一人で抱え込まないことは前提として考えられています。
防災士として率直に言えば、メンタルの強さは「一人で耐える力」ではありません。
つながっておける力の方がずっと重要です。
■⑥ 事前トレーニング⑤|活動後の“振り返り時間”まで予定に入れておく
意外と抜けやすいのがこれです。
災害ボランティアに行く前に、帰ってきた後の1〜3日を空けておくことです。
帰宅直後に仕事、学校、予定を詰め込むと、心と体の整理が追いつきません。
その結果、
・不眠
・頭痛
・食欲不振
・イライラ
・無気力
が長引きやすくなります。
元消防職員として言えば、被災地から戻った後に何も振り返る時間がないと、感情は後ろに押し込まれたままになります。
だから事前トレーニングとしては、現地前だけでなく、
帰宅後の回復時間を予定に入れること
まで含めて考えた方が現実的です。
■⑦ “ストレス耐性3倍”の正体は、気合いではなく基本の積み上げ
タイトルのように「ストレス耐性を一気に上げる魔法」はありません。
でも、現実には崩れにくくする方法はあります。
それは、
・睡眠
・食事
・水分
・事前理解
・自己理解
・共有先の確保
・帰宅後の余白
この基本を整えることです。
防災士として強く言えるのは、災害支援で後から効いてくるのは、派手なトレーニングではなく、地味な準備をしていたかどうかです。
特に真面目な人ほど、「頑張る準備」はしても、「崩れた時の準備」をしません。
でも本当に大事なのは後者です。
■⑧ まとめ
災害ボランティア前に本当に必要なのは、強い心を作ることではなく、崩れにくい準備をしておくことです。
日本赤十字社の防災ボランティア基礎研修では、災害時の基礎知識や実技に加えて、ボランティア自身の心の問題を軽減するためのこころのケアを事前に学ぶ時間が設けられています。
厚生労働省のPFA資料でも、支援者のストレス対処として、休息、食事、水分、同僚との支え合い、過去に役立った対処法の確認などが示されています。
防災士として強く言えるのは、事前トレーニングで差がつくのは、
「強い人になるか」
ではなく、
自分が崩れやすい場面を知り、戻るための準備をしているか
です。
迷ったら、まずは睡眠。
次に、自分の崩れ方の確認。
そして、帰ってから話せる相手を決めておく。
この3つから始めるのが、一番現実的です。

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