【防災士が解説】避難所の“夜間照明”が命を守る|暗さが引き起こす事故と最新の灯り対策

避難所では、夜になると一気に環境が変わります。
体育館は天井が高く、照明を落とすと“想像以上に真っ暗”になります。
この暗さが、転倒・迷子・トイレ事故など多くのトラブルを生みます。

ここでは、防災士としての経験から
避難所で必須となる「夜間照明の整備」と具体的な対策を解説します。


■ なぜ避難所の夜は危険なのか?

● 天井が高く、消灯すると光がほぼ届かない
● 足元が見えず転倒しやすい
● トイレの場所が分かりにくい
● 子ども・高齢者は特に危険
● 雑魚寝で荷物が散乱しやすい
● 停電が重なると“完全な暗闇”になる

避難所の夜のトラブルは、
「暗さ」+「人が多い」+「段差が多い」
この3つが原因です。


■ 夜間に起きやすいトラブル

● トイレまでの移動中の転倒
● 段ボール間仕切りへの衝突
● 子どもの迷子
● ペットの逸走
● 夜泣き対応で周囲を起こす
● 高齢者が暗さでパニックになる
● 荷物の踏みつけ事故

夜は避難所で最もケガが起きやすい時間帯です。


■ 必須の“夜間照明アイテム”

LEDランタン(停電に強い)
足元ライト(テープ型)
電池式ライト
スマホライトは“予備”として使用
ソーラー式ランタン
小型懐中電灯(各家庭1本)

避難所では“上からの光”より
足元の照明の方が圧倒的に事故が減ります。


■ 夜間照明の配置ポイント(避難所版)

トイレへの通路に光のラインを作る
→ LEDテープライトか、ランタンを等間隔に置く。

段差・出入口に必ずライト
→ ここはケガが最も多い場所。

家族のスペースには1つランタンを常備
→ 夜間の授乳・トイレが安全に。

消灯後も“薄明るさ”をキープする
→ 完全な暗闇はパニックの原因。

避難者自身も小型ライトを手元に置く
→ 高齢者・子どもには特に重要。


■ 夜間の“音”と“光”のバランスを取るコツ

● 明るすぎる光は周囲の睡眠を妨げる
→ タオルで光を柔らかくする
→ 間接照明のように壁に向ける

● 真っ暗すぎると危険
→ 足元だけを照らすライトで調整

避難所の夜は「薄明かり」が理想です。


■ 家庭で備えておくと在宅避難も安心

● LEDランタン2~3個
● 置くだけの足元ライト
● ソーラー充電式ランタン
● 子ども用ライト(枕元用)
● ライトの電池は“2倍”で備蓄

停電中の在宅避難でも、
夜間照明はストレスと事故を劇的に減らします。


■ まとめ

避難所の夜間照明は、
転倒事故の防止、迷子防止、ストレス軽減
すべてに直結する“命を守る設備”です。

とくに、
● トイレ動線
● 出入口
● 家族スペース
この3か所に灯りを置くだけで安全性が大きく上がります。

避難生活は“夜をどう過ごすか”で快適さと安全が変わります。
初日の夜までに、必ず夜間照明を整えておきましょう。


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