1923年(大正12年)に発生した 関東大震災(M7.9) は、
東京・神奈川を中心に 10万人以上の死者・行方不明者 を出した、日本最大級の都市災害です。
地震そのものよりも、
● 火災
● 建物倒壊
● 密集地域の延焼
● ライフライン崩壊
など“都市特有の連鎖被害”が被害を拡大させました。
100年前の災害ですが、
現代の東京・横浜にも ほぼ同じリスク が残っています。
■ 関東大震災で何が起きたのか?
● 11時58分、昼食どきに発生
● 木造家屋から4〜5分で出火
● 強風で火が一気に広がる
● 数百メートル級の火炎竜巻が発生
● 密集地域が壊滅
● 建物倒壊で避難路が塞がれる
● 都市機能が完全に麻痺
死者の約9割が火災によるものと言われています。
■ なぜ火災がここまで広がったのか?
① 発生が“昼の料理中”だった
火を使う家庭が多く、一斉に出火。
② 木造住宅が密集していた
家と家の隙間が極端に狭く、延焼速度が異常に速かった。
③ 強風が吹いていた
火の粉が数百メートル飛び、各地で同時多発火災が発生。
④ 避難者の集中で「空き地での惨事」
被服廠跡地では、炎の竜巻が発生し数万人が犠牲に。
■ 現代にも続く“都市災害の弱点”
100年前の災害ですが、現在の日本の都市には同じ構造が残っています。
● 密集住宅地(特に下町エリア)
木造密集地は今も多く、延焼リスクは高いまま。
● ガス・電気の多用
昼間の地震では同時出火が起きやすい。
● 消防車が入れない細い道路
渋滞・道路陥没・電柱倒壊で消防活動が遅れる。
● 高層ビルゆれ長期化(長周期地震動)
上層階は家具転倒・エレベーター停止が起きやすい。
■ 関東大震災が残した教訓
① 「まず火を止める」ことが最優先
地震直後の初期消火が都市火災を防ぐ最大のポイント。
② 家具の固定は“命を救う”
当時の死因の多くが建物倒壊・圧死。
現代では家具転倒が大きなリスクに。
③ 避難路は“複数”把握しておく
火災・倒壊で塞がれることが多い。
④ 風向きの理解が生死を左右する
延焼方向が読めれば避難方向を間違えない。
⑤ 密集地に住む人ほど「在宅避難」が難しい
マンション高層階と比べ、木造住宅地は火災リスクが圧倒的に高い。
■ 家庭でできる都市型地震の備え
● 家具固定
● 感震ブレーカーの設置
● 出火元の確認(ガス・電気・IH)
● 避難の優先順位を家族で共有
● 近くの“広域避難場所”を必ず確認
● 火災が起きたら“とにかく風上へ避難”
火災のスピードは走って逃げても追いつかれます。
「早く逃げる」以外に助かる方法はありません。
■ まとめ
関東大震災は、
“都市災害の本質は火災である” ことを強烈に示した災害です。
● 出火
● 延焼
● 強風
● 密集住宅
● 避難集中
これらが重なると、現代でも同規模の被害が起こり得ます。
都市部で暮らす私たちこそ、
「火災・倒壊・避難」の3つを常に意識し、
日頃から備えておくことが命を守る最善策です。

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