【防災士が解説】国際消防救助隊(IRT)になるには?── 海外災害の最前線で救助活動を行う“日本最高峰の消防部隊”への道

「国際消防救助隊(IRT:International Rescue Team)」は、
海外で大規模災害が発生した際、
日本を代表して派遣される“精鋭中の精鋭”の消防部隊です。

地震・ビル倒壊・洪水・土砂災害など、
世界のどこで発生した災害にも駆けつけ、
国際緊急援助隊(JDR)の一員として活動します。

ここでは、IRTになるために必要な条件・能力・選抜の流れを
分かりやすくまとめます。


■ 国際消防救助隊(IRT)とは?

外務省・消防庁が合同で運用し、
海外での大規模災害に派遣される国際救助部隊。

現地では、
● 建物倒壊救助
● 捜索(要救助者の位置特定)
● 医療支援
● 上空偵察
● 工具操作
● 国際協力機関との連携
など、多岐にわたる任務を担当します。

日本国内のレスキュー隊の中でも、
選抜率は極めて低い“日本トップレベルの救助部隊”です。


■ IRT隊員になるための条件(かなり厳しい)

① 消防士として高い実績があること

火災・救助・救急などの現場経験が豊富で、
現場判断の確かさが必須。


② 救助隊(レスキュー)での優れた能力

IRT隊員の多くが
● 特別救助隊
● ハイパーレスキュー
など、救助エリート出身。

ロープ、破壊工具、斜面搬送など高度技術が必要です。


③ 体力試験がトップレベルであること

世界基準の体力が求められます。
救助器具を持ちながらの移動や長時間作業にも耐えられること。


④ 語学(英語または現地語)の能力

“最低限の日常会話レベル”は必須。
海外で活動するため、
意思疎通できなければ任務になりません。


⑤ 海外派遣のストレスに対応できるメンタル

● 異国の環境
● 混乱した災害現場
● 長時間の作業
● 食事・生活の違い
などに耐えられる強い精神力が必要。


⑥ 国際緊急援助隊(JDR)の研修を修了すること

専用の訓練を受け、
国際基準の救助技術を習得する必要があります。


■ IRTになるための具体的なステップ


① 一般消防士として採用

まずは消防士になるところからスタート。


② 特別救助隊(レスキュー)を目指す

IRT隊員のほとんどがレスキュー経験者。
選抜試験に受かる必要がある。


③ 救助大会で実績を上げる

訓練の成果や競技成績は高く評価される。
努力がそのまま選抜に直結。


④ 語学(英語)を学ぶ

英語力はどの自治体でもIRT選抜の大きな判断材料。
TOEIC受験などでアピールできる。


⑤ 国際消防救助隊の選抜試験を受ける

知識・技術・体力・語学・人間性、
すべて厳しくチェックされる。


⑥ JDR専門研修を受講

倒壊建物の救助、捜索技術、医療、国際連携などを学ぶ。


⑦ 実際の海外派遣で経験を積む

大地震や洪水など、現地で要救助者を捜索・救助する。


■ IRT隊員に向いている人の特徴


● 高い使命感を持っている

「世界で命を救いたい」という気持ちが原動力。


● 体力・精神力ともに強い

極限環境でも冷静に判断できる。


● 国際協力に興味がある

JICA・UN・NGOなどとの協働も多い。


● 丁寧で緻密な行動ができる

ミスが許されない現場ばかり。


● チームワークを最優先にできる

少数精鋭の国際部隊では“人間性”が非常に重視される。


■ 今日からできる“IRTを目指すための準備”


① 英語を毎日10分でも触れる

語学は必須スキル。


② 救助の基礎能力を高める

ロープワーク、体力、斜面搬送など地道に訓練。


③ 上司に「IRTを目指したい」と伝えておく

推薦が必要な場合が多い。


④ 災害海外ニュースをチェック

世界の災害の現場感覚が身につく。


■ まとめ

国際消防救助隊(IRT)は、
日本の消防の中でも最難関レベルの部隊

  1. 救助隊のトップクラスの技術
  2. 世界基準の体力
  3. 英語力
  4. 国際派遣のメンタル
  5. 傑出した人間性
  6. 国際緊急援助隊の専門訓練

これらを備えた“日本最高峰の消防士”だけが選ばれます。

志があるなら、今日から積み上げてください。
あなたの努力は必ず未来の命を救います。

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