災害ボランティアから帰ってきたあと、
「なんとなく重い」
「疲れているのに気持ちが落ち着かない」
「頭では終わったはずなのに、まだ引きずっている」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、災害ボランティア後のストレスは、“強い人なら一人で整理できるもの”ではなく、適切に外へ出し、整えていく方が回復しやすいです。
特に大切なのは、仲間や信頼できる相手と共有することです。
消防庁の調査では、災害対応後のストレス解消法として、運動や趣味に次いで、一緒に災害出場した同僚等との会話で発散した人が37.7%と多く、会話による解消が目立つと整理されています。
また、厚生労働省のPFA資料でも、支援者は同僚を支え、同僚から支えてもらうことが大切だと示されています。 (internal.fdma.go.jp) (mhlw.go.jp)
防災士として率直に言えば、災害支援後に一番危ないのは、「これくらいは自分で整理できる」と思って抱え込むことです。
元消防職員として被災地派遣やLO対応を経験すると、現場で頑張れた人ほど、帰ってから一人で抱えやすいです。
だから、ストレス解消は「気分転換」だけではなく、共有と回復の組み合わせで考えた方が現実的です。
■① まず前提として、ストレス解消は“我慢”ではなく“外に出す”方が強い
災害ボランティア後の不調は、
・不眠
・頭痛
・イライラ
・無気力
・集中力低下
のように、かなりいろいろな形で出ます。
その時にやりがちなのが、
「時間がたてば治る」
「気にしない方がいい」
「頑張って日常に戻れば何とかなる」
という考え方です。
でも消防庁の調査では、現場活動後のストレス解消法として、会話による発散がかなり多く、一人で抱えないことが実際に行われている対処法だと分かります。 (internal.fdma.go.jp)
防災士として言えば、ストレス解消で大切なのは、消そうとすることより、少しずつ安全な形で外へ出すことです。
■② 解消法1|一緒に活動した仲間と短く振り返る
一番効果が出やすいのがこれです。
一緒に活動した仲間と、短くても振り返ることです。
消防庁の調査で「一緒に災害出場した同僚等との会話で発散した」が多かったのはかなり重要です。
つまり、同じ現場を見た人との共有は、かなり自然で有効な解消法です。 (internal.fdma.go.jp)
話す内容は深刻でなくても構いません。
たとえば、
・一番しんどかった場面
・驚いたこと
・帰ってからの体調
・今も少し引っかかっていること
を短く共有するだけでも違います。
元消防職員として率直に言えば、同じ現場を見た相手との会話は、「分かってもらう説明」を減らせるのでかなり楽です。
■③ 解消法2|一人で抱えないために“話す相手を先に決める”
仲間と話せるのが一番ですが、毎回それができるとは限りません。
だから、ボランティア後のストレス解消では、話す相手を先に決めておくことも大切です。
厚生労働省のPFA資料では、支援者のストレス対処として、同僚から支えてもらうこと、過去に役立った対処法を考えることが勧められています。 (mhlw.go.jp)
防災士として言えば、話す相手は
・一緒に活動した仲間
・支援団体の担当者
・家族
・信頼できる友人
などで大丈夫です。
大事なのは、「つらくなってから探す」のではなく、この人には話せる、という先を持っておくことです。
■④ 解消法3|睡眠を“回復行動”として優先する
ストレス解消というと、何か特別なことをしないといけないと思いがちです。
でも実際には、まず睡眠を整えることがかなり重要です。
災害支援後は、悪夢、不眠、途中覚醒が出ることがあります。
眠れていないと、イライラ、集中力低下、頭痛、無気力がさらに強くなります。
防災士として率直に言えば、支援後の「気持ちが重い」は、睡眠が崩れているだけでかなり悪化します。
だから、
・夜更かしを減らす
・寝る前に災害映像を見すぎない
・飲酒で無理に寝ようとしない
ことは、立派なストレス解消法です。
■⑤ 解消法4|軽い運動や散歩で体に出口を作る
消防庁の調査では、ストレス解消法として一番多かったのが運動や趣味による発散でした。 (internal.fdma.go.jp)
つまり、気持ちの整理は頭だけでやるより、体を少し動かす方が合う人も多いです。
たとえば、
・10〜20分の散歩
・軽いストレッチ
・深呼吸しながら歩く
・入浴後の柔軟
くらいで十分です。
元消防職員として言えば、支援後に強い運動で追い込む必要はありません。
大切なのは、体にたまった緊張を少しずつ抜くことです。
■⑥ 解消法5|“感情を書き出す”だけでもかなり整理される
話すのが難しい人には、書き出す方法もかなり有効です。
たとえば、
・印象に残った場面
・今も気になること
・体調の変化
・眠りや食欲の状態
をメモするだけでも違います。
防災士として言えば、これは感情を整理するというより、頭の中のごちゃごちゃを外に出す作業です。
特に、何となく落ち着かないけど理由が分からない時にはかなり役立ちます。
元消防職員としても、言葉にできない時ほど、まず短く書く方が入りやすいことがあります。
■⑦ 解消法6|災害情報との距離を一度調整する
支援後にやりがちなのが、災害関連ニュースやSNSを見続けてしまうことです。
もちろん情報確認は大切です。
でも、支援後のストレスが強い時は、それが負担を増やすことがあります。
たとえば、
・映像で現場を思い出す
・眠る前に気持ちが高ぶる
・終わったはずなのに頭が現場へ戻る
といったことです。
防災士として率直に言えば、ストレス解消では「現場を忘れよう」とする必要はありません。
でも、刺激を増やしすぎないことはかなり大切です。
情報との距離を調整するのも、立派なセルフケアです。
■⑧ 解消法7|戻らない時は“早めに専門家へつなぐ”
ここはかなり大事です。
ストレス解消法を試しても、
・眠れない
・悪夢が続く
・食欲が戻らない
・イライラや無気力が強い
・日常生活に影響が出ている
なら、早めに相談先を持った方がいいです。
厚生労働省のPFA資料も、支援者が安全・落ち着き・つながりを回復できない場合は、適切な支援につなぐことを重視しています。 (mhlw.go.jp)
防災士として強く言えるのは、相談は「弱いから行く」のではなく、悪化を防ぐための現実的な解消法の一つだということです。
■⑨ まとめ
災害ボランティア後のストレス解消で一番大切なのは、一人で抱え込まず、仲間や信頼できる相手と共有しながら、睡眠・運動・情報量を整えていくことです。
消防庁の調査では、ストレス解消法として「一緒に災害出場した同僚等との会話で発散した」人が37.7%と多く、会話による解消が目立つと整理されています。
厚生労働省のPFA資料でも、支援者は同僚を支え、同僚から支えてもらうことが大切だとされています。 (internal.fdma.go.jp) (mhlw.go.jp)
防災士として強く言えるのは、ボランティア後の心の負担は「消す」より、共有し、整え、必要ならつなぐ方が軽くなりやすいということです。
迷ったら、まずは仲間と短く振り返る。
それが難しければ、睡眠と記録から始める。
この順番が、一番現実的です。

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