【防災士が解説】能登半島地震 被災地の現実|“現場に入った防災士が見た、本当に必要だった備えと行動”

令和6年 能登半島地震。
元消防職員・防災士として実際に、
現地で支援活動に従事しました。

その経験から、
「能登半島地震の現実」
「本当に役に立った備え」
「被災地で見えた課題」
を防災ブログ用にまとめます。

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■① 想像以上に“ライフラインの復旧が長期化”した
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能登半島の特徴は 孤立しやすい地形

・道路の崩落
・橋の損傷
・寸断された集落
・海と山に挟まれた細い一本道

このため…

✔ 電気復旧が非常に遅れた
✔ 上水道が広範囲で断水
✔ 携帯電波の復旧に時間
✔ 医療・福祉支援が届きにくい

“1週間で復旧”のような都市部の感覚は通用しない。

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■② 家屋被害(全壊・半壊)が広範囲に及んだ理由
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現場で確認した特徴。

・古い瓦屋根の倒壊
・ツルツルの地盤が揺れを増幅
・基礎ごとズレた家が多数
・土台が割れた家
・外壁の全面崩落

特に能登は 古い木造住宅が多く、耐震性の個体差が大きい

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■③ とにかく“家の中が危険すぎて入れない”
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被災者から多く聞いた声。

「家に入れない」
「家具が全部倒れていて歩けない」
「ガラスが散乱して危険」

これは地震現場で毎回起こるが、
能登では特に家屋内部の散乱がひどかった。

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■④ 避難所は“長期戦”を前提に整備された
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能登の避難所は以下が足りなくなりやすかった。

✔ 水
✔ トイレ
✔ 移動できる暖房
✔ 生理用品
✔ 高齢者の介護スペース
✔ 情報(Wi-Fi・電波)

避難所は“3日だけ耐える場所”ではない。
能登では多くの方が 数週間〜1か月以上 避難生活を送った。

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■⑤ 在宅避難は“水・電気・トイレ”が最大の課題
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特に大きかった問題が3つ。

水の不足
→ 想定以上に配水車が来ない地域が多い

停電の長期化
→ 冬だったため、暖房確保が致命的

トイレ問題
→ 流せない・汲み取りも限界・感染症リスク増大

“普段通りの生活”はまったくできない。

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■⑥ 高齢者・障害者のケアが本当に大変だった
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能登は高齢化率が非常に高い地域。

・移動できない
・かがめない
・寒さに弱い
・通院が必要
・薬が足りない

救護班が不足し、隣近所が支え合っていた。

「この地域は助け合い文化が強いから持ちこたえられた」
と多くの方が話していたのが印象的。

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■⑦ 現場で本当に必要だった物(リアル)
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現場で強く感じた“必要物資”はこれ。

✔ モバイルバッテリー
✔ ポータブル電源
✔ カセットガス
✔ 簡易トイレ
✔ ウェットティッシュ
✔ 使い捨てカイロ
✔ 生理用品
✔ 水(1日3L × 最低3日分以上)
✔ ブルーシート
✔ 土のう袋

被災者の声で最も多かったのは
「水が足りない」「電気がほしい」 の2つ。

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■⑧ ボランティア・支援者が感じた“最大の課題”
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現地で活動し痛感した課題。

① 情報が届かない
② 現場まで移動できない
③ 受援力(受ける側の体制)が低下
④ 住民が心身ともに疲弊
⑤ マイナンバーや書類関係が進まない

「支援したくても、受け取れる場所・人が足りない」
これが現場のリアル。

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■⑨ 能登半島地震から学ぶ“今できる備え”
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能登の教訓を全国の家庭が学ぶべき。

✔ 水とトイレは“倍量”備える
✔ 停電は“数週間”と考える
✔ 在宅避難の暖房を準備
✔ 簡易トイレは家族人数分
✔ モバイルバッテリーは複数
✔ 近所との助け合いが生存率を上げる
✔ 車は“第二の避難空間”になる

能登の現実は、
“想定を超えた長期戦”そのものだった。

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■まとめ
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能登半島地震の現場で見たのは、

・道路寸断
・家屋倒壊
・長期停電
・断水
・避難所の長期化
・寒さ
・高齢化
・情報不足

という“複合災害”。

この経験を全国の家庭が活かすことで、
次の災害で命を守る人が必ず増える。

これが、
防災士が現場で見た 能登半島地震の真実
です。

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