テレビやスマホで突然流れる「国からの緊急速報」。
その正体が Jアラート(ジェイアラート) です。
地震・津波・ミサイルなど、
“数秒〜数十秒が生死を分ける災害”に対して、
国が自動で警報を発信する仕組みで、
日本の防災において最も重要な警報システムのひとつです。
防災士として、Jアラートをわかりやすく解説します。
■ ① Jアラートとは?
Jアラートとは、
国(内閣官房・消防庁)が自治体や住民に一斉警報を送る全国瞬時警報システム のこと。
“瞬時警報”の名の通り、
■ 早い
■ 自動
■ 広範囲
■ 同時
に情報が届くのが最大の特徴です。
■ ② Jアラートで流れる警報の種類
● ① 地震(緊急地震速報:大きな揺れが来る前)
● 最大震度5弱以上が予想される場合
● 数秒〜10秒程度の猶予
● ② 津波警報・大津波警報
● 沿岸部は特に重要
● 即時避難が必要なケースで発信
● ③ 気象特別警報
● 50年に一度級の豪雨・暴風・大雪など
● “命に危険が及ぶレベル”の天候時
● ④ 火山噴火警報(居住地域に危険が及ぶ場合)
● 噴石・火砕流の危険
● 避難が必要な場面で発信
● ⑤ 武力攻撃(ミサイル、飛来物)
● 北朝鮮ミサイルでおなじみの警報
● “上空通過の可能性あり”で即時発信
● ⑥ 国民保護情報
● テロ
● 化学剤事故
● 爆発
● 武力攻撃
国民の安全に関わる重大事案の警報が含まれます。
■ ③ Jアラートが届くところ
● 防災行政無線のスピーカー
● 屋内放送
● スマホ(緊急速報メール)
● テレビ放送
● ラジオ
● 自治体の防災アプリ
● 一部の電光掲示板
広範囲に多様な方法で届けられます。
■ ④ Jアラートの強み
● ① “自動送信”で時間ロスゼロ
人が判断して送るのではなく、
条件を満たすと システムが自動で発信。
数秒〜1分以内に全国へ届きます。
● ② 住民が寝ていても届く
深夜でも、音量最大で強制的に通知。
気づかないリスクを大幅に減らします。
● ③ 誤報が少ない設計
過去に数回の誤報はありましたが、
基本的には非常に精度の高い警報です。
● ④ ミサイルなど“猶予ゼロ”の災害に強い
落下まで数分のミサイルは、
Jアラートでしか間に合わない 場面が多いです。
■ ⑤ Jアラートが鳴ったらどうする?
警報の種類によって行動が異なります。
● ① 地震
→ 揺れが来る前に身を守る
(机の下に隠れる・火を消さない・窓から離れる)
● ② 津波
→ 海岸・河口からすぐ離れる
→ 高台へ“逃げ切るまで”避難
● ③ ミサイル
→ 頑丈な建物・地下へ
→ 窓から離れる
→ 伏せる+頭を守る
● ④ 気象特別警報
→ その後の市町村避難情報が最優先
→ 危険区域の人は早期避難
■ ⑥ Jアラートの弱点
● すぐ避難できる環境がない人(高齢者など)
● 防災無線が聞こえにくい地域
● 通知音に慣れてしまう“慣れ”
● 一部の古いスマホでは通知が遅れる場合
万能ではありませんが、
日本の警報システムとしては世界最高レベルです。
■ まとめ
Jアラートは、
国が災害・攻撃などの危険を“最速で全国に知らせる警報システム” です。
- 地震・津波・噴火・ミサイルなど命に関わる情報を即時に通知
- 自動送信で遅れがない
- スマホ・テレビ・防災無線など複数経路で届く
- “数秒の猶予”で命を守る行動につながる
私たちは、Jアラートが鳴ったら
「即行動」が命を守る最大のポイントになります。

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