ニュースでよく聞く EEZ(イー・イー・ゼット)。
正式には Exclusive Economic Zone(排他的経済水域) といいます。
これは、国が「海の資源を利用できる権利」を持つ特別な海域で、
日本の防災・安全保障・食料・エネルギーに深く関わる、とても重要な概念です。
ここでは、防災士の視点で
EEZが何なのかをわかりやすく解説します。
■ ① EEZ(排他的経済水域)とは?
EEZとは、
自国の沿岸から最大200海里(約370km)までの範囲で、 海の資源を独占的に利用できる海域 のことです。
日本は“海に囲まれた島国”のため、
世界でも有数の広いEEZを持っています。
■ ② EEZでできる国の権利
● ① 漁業資源(魚・貝など)を独占利用
他国の船は、許可がなければ漁業できません。
● ② 海底資源を独占利用
● 天然ガス
● メタンハイドレート
● レアメタル
● 鉱物資源
こういった資源を調査・開発できる権利があります。
● ③ 科学調査・環境保護ができる
海洋観測・環境保全の主導権を持てます。
● ④ 他国の違法操業を取り締まれる
巡視船が取り締まり、拿捕(だほ)も可能です。
■ ③ ただし「領海」とは違う
領海
→ “完全な国の領域”として扱われる(約22kmまで)
EEZ
→ 資源利用の権利が中心
→ 自由航行は他国もOK
つまり、
“海の資源は日本のものだが、船の通行は自由”
というルールです。
■ ④ 日本のEEZは世界6位の広さ
日本は国土は小さいですが、
EEZは世界トップクラス。
理由は、
● 島が多い
● 南北に長い
● 海洋国家である
ことから、広大な海域の権利を持っています。
■ ⑤ EEZが防災・安全保障で重要な理由
● ① ミサイル落下地点の把握
北朝鮮ミサイルが“日本のEEZに落下”と報道されるのは、
● 日本の権利区域内
● 漁業者の危険
● 海上交通の影響
● 政治・軍事的緊張
などが関わるため。
● ② 海底地震・津波観測
EEZ内には、
● 地震観測装置(DONETなど)
● 津波ブイ
● 海底ケーブル
が配置され、日本の防災の生命線になっています。
● ③ 漁業・食料安全保障
日本の魚の多くはEEZで獲れます。
海の権利を守ることは、
食料の安定供給 に直結します。
● ④ 海底資源の将来的価値
日本近海のメタンハイドレートは
未来のエネルギー源として注目されています。
■ ⑥ EEZに関係するトラブルも多い
● 中国・韓国・ロシアとの漁業問題
● 資源開発の主導権争い
● 領土問題(尖閣・北方領土など)
● 他国の違法操業
など、海の権利が絡むため国際問題になりやすい領域でもあります。
■ まとめ
EEZ(排他的経済水域)は、
海の資源を利用する権利を国が持つ特別な海域 です。
- 沿岸から200海里までの海
- 漁業・資源・科学調査を独占できる
- 通航の自由は国際的に認められる
- 日本は世界トップクラスの広大なEEZを持つ
- 防災・エネルギー・食料・安全保障に直結
海の国・日本にとって、
EEZは“国の未来と命を守る”最重要エリアの一つです。

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