【防災士が解説】11月は“冬の地震対策”を始めるベストタイミング寒さの中で被災すると命の危険が高まる理由と、今やるべき備え

11月は季節の境目で、昼夜の寒暖差が大きくなる時期。
実はこの時期は冬の地震への備えを始める絶好のタイミングです。

“冬に地震が起きると何が違うのか?”
ここを理解しておくことで、備えの質が一気に上がります。


■ ① 冬の地震は「低体温症」が最大の敵

建物倒壊・停電・断水に加えて、冬は“寒さ”という致命的な要素が追加されます。

特に危険なのが…

  • 暖房停止
  • 室温が急低下
  • 濡れた衣服が乾かない
  • 体温が奪われやすい

冬に地震が起きた地域では、怪我よりも 低体温症 で命を落とすケースが突出します。


■ ② 避難所でも“寒さ問題”は深刻

11月〜2月に被災すると避難所は一気に冷えます。

・床が冷たい
・毛布が不足する
・暖房が間に合わない
・仕切りは冷気を防げない

高齢者・乳幼児は特に危険で、寒さが原因で体調悪化する例が多く見られます。


■ ③ 11月に準備すべき“冬地震セット”

家族の人数分を必ず揃えておくべき冬の地震用品はこちら。

  • カイロ(箱買い)
  • アルミブランケット
  • 使い捨て手袋+靴下
  • 寝袋(封筒型よりマミー型が暖かい)
  • ランタン+ヘッドライト
  • 防災用ポンチョ
  • 簡易トイレ
  • モバイルバッテリー(大容量2台以上)

特に 寝袋・カイロ・ポンチョ の3つは冬災害において最強クラスの防寒アイテム。


■ ④ 自宅でも“倒れてほしくない家具”の固定を強化

冬場はコタツ・ヒーター・乾燥機・加湿器など、部屋の配置が変わりがち。
家具の位置を変えたタイミングは 固定し直す大チャンス

  • 冷蔵庫
  • 本棚
  • テレビ
  • タンス
  • 食器棚

地震で倒れやすい家具のトップ5は、毎年ほぼ同じです。


■ ⑤ 「水」の備蓄量は冬こそ増やすべき

「冬は汗をかかないから水は少なくていい」と思っていませんか?

実は逆で、冬は空気が乾燥して 呼吸だけで大量の水分が奪われる ため、脱水症状が起きやすい季節です。

→ 1日1人3Lを基本に、冬は少し多めに備蓄しておくのが理想です。


■ まとめ

11月は“冬地震の入口”であり、対策のスタートラインです。
今日やるべきポイントはこちら。

  • 冬の地震は低体温症の危険が最も高い
  • 避難所は寒さ対策が不足しがち
  • 冬地震セット(寝袋・カイロ・ポンチョ等)は必須
  • 部屋の模様替え後は家具の固定をやり直す
  • 水の備蓄は冬こそ多めに

11月中に冬災害対策を整えておけば、12〜2月の“最も危険な季節”を安全に乗り越えられます。

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