【防災士が解説】消防学校は“ゴールではない”── 本当のスタートは現場に配属されてから

多くの新人が「消防学校を卒業したら一安心」と思いがちですが、
実際はその逆。

消防学校はゴールではなく、“スタートライン”にすぎません。

消防学校で学ぶのはあくまで基礎。
現場に出て初めて、消防士としての本当の世界が始まります。


■ 消防学校で身につくのは“基礎中の基礎”

消防学校で学ぶのは、
● 礼式
● 規律
● 消火の基本
● 救助の基本
● 救急の基本
● 学科(法律・火災学)
など、あくまで“土台”。

これで消防ができるわけではありません。

現場の火災・救助・救急は、
学校で学ぶ世界より何倍も複雑で危険。


■ 本当の学びは現場で始まる

学校を卒業して配属されると、
● 火災
● 交通事故
● 救急傷病者
● 水難事故
● 高齢者支援
● 危険物事故
● 大雨・台風対策

同じ現場は2つとしてありません。

現場こそが“最強の教科書”。
新任消防士はここで急激に成長します。


■ 消防学校で評価が高くても、現場ではゼロからのスタート

学校で優秀だった人でも、
現場では新人としての扱い。

● ホース延長の実戦速度
● 放水中の安全確認
● 119通報の聞き取り
● 救急での観察
● 緊張下での判断

これらができなければ、
実際の現場では通用しません。

逆に、学校で普通だった人が
現場で爆発的に伸びることもよくあります。


■ 配属後に求められる“5つの力”

消防学校では身につかない力が現場で必須。


① 判断力

火災・事故・救急では瞬間的な判断が命を分ける。


② 臨機応変さ

マニュアル通りにいかないのが現場。


③ 住民対応のコミュニケーション

高齢者・子ども・外国人など様々な人と接する。


④ チームワーク

先輩隊員との連携が最重要。


⑤ メンタル

厳しい現場・悲惨な現場に向き合う力が必要。


■ 本当に難しいのは“消防学校の後”

多くの新人が苦労するのは、
消防学校より、配属後の約1年間。

なぜなら…
● 初めての現場
● 初めてのローテーション勤務
● 実戦での失敗
● 先輩の指導
● 常に緊張感
これらが一気に襲ってくるから。

ただし、この1年を越えると
消防士として大きく成長し、自信がつきます。


■ 消防学校は通過点。現場が本当の学びの舞台

消防学校は、
● 規律
● 体力
● 基本的な消防技術
● 礼式
● 集団生活

これらを身につける「準備期間」。

そして、
現場が“本当の学びのステージ”。

卒業して終わりではなく、
ここからが消防士としてのスタートです。


■ まとめ

消防学校はゴールではありません。
むしろ 消防士人生のスタートライン。

  1. 学校で身につくのは基礎だけ
  2. 本当の消防は現場で始まる
  3. 配属後1年間が最も成長する時期
  4. 判断力・臨機応変・住民対応など実務能力が重要
  5. 本番は「学校の後」に待っている

消防学校を超えた先に、
消防士としての本物の経験と成長が待っています。

自信を持って、一歩ずつ進んでください。

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