消防士が辞める理由の中で
“救急がつらい”というのはよくある話です。
実際、救急隊は体力・精神力の両方を消耗しやすく、
消防の中でももっとも負担の大きい業務といえます。
ここでは、救急がつらくなる原因と、
それでも続けられる人の特徴をわかりやすく整理します。
■ ① 救急の負担は消防で一番重い
■ ▷ 身体的にきつい
● 階段の担架搬送
● 酸素ボンベや資器材の積み下ろし
● 深夜・早朝の連続出動
● 睡眠不足が慢性化
身体の負荷は火災よりも“回数が多い分”蓄積しやすい。
■ ▷ 精神的にきつい
● 子どもの事故
● 自殺
● 交通事故の重症例
● 心停止
命に直結する場面が多く、心への負担が大きい。
■ ▷ 感情の起伏が激しい現場
● 酔客の暴言
● 患者家族の混乱
● 理不尽なクレーム
● 心ない言葉
こうした対応もストレスになる。
■ ② なぜ救急が“嫌になる”のか?
■ ① 出動件数が多すぎる
地域によっては
1日10〜20件以上の出動もあるため、
休む間がないこともある。
■ ② 感謝されないケースも多い
救急は「サービス業」に近く、
対応が理不尽に見える場面もある。
■ ③ 現場の映像が心に残る
特に子ども、高齢者の重症例は
強いストレスとなる。
■ ④ 家族との生活リズムが崩れる
深夜の連続出動による疲労は、
家庭にも影響しやすい。
■ ③ では、救急は“向いていない人の特徴”とは?
■ ■ ① 感情の切り替えが苦手
現場の映像を抱え込むタイプは苦しくなりやすい。
■ ■ ② 夜勤の連続に弱い
不規則勤務が体に合わないと消耗しやすい。
■ ■ ③ 理不尽な言動に耐えられない
酔客やクレーマーへの対応が苦手だとストレスが大きい。
■ ④ 逆に“救急に向いている人”とは?
■ ■ ① 冷静さがある
どんな場面でも落ち着いて判断できる人は強い。
■ ■ ② 優しさと思いやりがある
患者・家族の気持ちを考えられる人は、救急で輝く。
■ ■ ③ 知識欲・探求心がある
医療知識を学ぶ意欲がある人は確実に成長できる。
■ ■ ④ 切り替えが早い
“次の現場に引きずらない”人は長続きしやすい。
■ ⑤ それでも消防士が救急を続けられる理由
■ ▷ 命を救う瞬間は何物にも代えがたい
心停止からの社会復帰や、
患者家族の涙の感謝は、
救急隊員にしか味わえない“特別な瞬間”。
■ ▷仲間が支えになる
救急はチームワークが命。
辛い現場のあとに仲間と話す時間が救いにもなる。
■ ▷ 経験が自信になる
経験を積むと現場対応力が上がり、
恐怖や迷いが減る。
■ まとめ
救急が嫌になる理由は
● 身体的疲労
● 精神的負担
● 出動件数の多さ
● 理不尽な対応
これらが重なるため。
しかし救急は消防士の中でも
“最も人の役に立ち、もっとも成長できる分野”。
向き不向きを理解したうえで向き合えれば、
救急は消防士としての誇りを強くしてくれる職務です。

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