近年、世界の防災は大きく変化しています。
日本は防災先進国ですが、海外の新しい取り組みから学べる点も多くあります。
ここでは、世界で広がる「次世代型の防災トレンド」を3つ紹介します。
■ 1. “気候変動前提”のインフラ整備が進んでいる国が増えている
ヨーロッパや北米では、
「災害は必ず起きる」という前提で街づくりが進んでいます。
具体例
- 洪水を“受け入れる”街(オランダのウォータースクエア)
- 川をわざと氾濫させる“遊水地”の拡大(ドイツ)
- 住宅地の地面を浸水しやすい素材に変更(北欧)
- 道路を“二層構造”にして、下層を排水路にする都市設計(シンガポール)
日本は治水技術は高いものの、
「町全体を変える発想」はまだ導入が部分的。
気候変動による豪雨・高潮が増える今、
“災害を防ぐ街”から“水害を受け入れる街”へ
という世界の新しい思想は、日本も学ぶべき点が大きい。
■ 2. 被災者の“心の安全”を最優先する国が増えている
海外では、避難所運営の考え方が大きく変わっています。
特徴
- 避難所に「心理ケア担当」を常駐(カナダ・欧州)
- ペット同伴を必須化(アメリカ)
- プライバシーを守る個室テントが標準(オーストラリア)
- 子どもと高齢者の専用スペースを最初から設計
特に欧米では、
「心のケアができる避難所こそ最低基準」
という考えが広がっています。
日本も近年は改善が進んでいますが、
海外の避難所はさらに進んだ“人間中心設計”が特徴。
■ 3. 災害リスクを“日常で可視化”する国が増えている
世界では、災害情報を日常生活の「インフラ」に組み込む動きが広がっています。
例
- スマホの地図に「洪水危険度」常時表示(アメリカ:FEMA)
- 学校の教科書に“災害ケーススタディ”を義務化(ニュージーランド)
- 街角の電子看板で風速・水位をリアルタイム表示(台湾)
- “防災アプリ義務化”に近い国も登場(台湾・韓国の一部自治体)
災害直前だけではなく、
常に備えるための“可視化文化” が浸透しているのが特徴。
日本のキキクル・マイタイムラインも非常に進んでいますが、
“街のいたる所で情報を見える化” する仕組みは、日本にも導入の余地があります。
■ まとめ
世界の防災は、日本より優れている部分も確実に存在します。
- 災害を“受け入れるインフラ”
- 避難所の心理ケア最優先
- 災害リスクの常時可視化
これらは、日本の防災に新たな視点を与えてくれるものばかり。
海外の良い取り組みを取り入れることで、
日本の防災はさらに強く、やさしくなっていきます。

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