ボランティア活動は「やったら終わり」ではありません。
活動を広め、次につなぐためには “広報(PR)”が非常に重要 です。
しかし、広報のやり方を間違えると、
・被災者が嫌な思いをする
・活動意図が誤解される
・炎上につながる
というケースもあります。
元消防職員・防災士として、
被災地支援・地域活動の現場から学んだ
“正しい広報活動のポイント” をまとめました。
■ ① SNSで発信する前に「目的」を明確にする
広報の目的は、
● ボランティアの価値を広める
● 活動の正しい理解を促す
● 新しい参加者を増やす
● 寄付・支援を呼びかける
など、人によってさまざまです。
まずは 「何のために発信するのか?」 を決めることが大切。
目的が定まると内容も整います。
■ ② 活動写真は“絶対に被災者を写さない”
最も重要で、最もトラブルになりやすい部分です。
● 被災者の顔
● 家の内部
● 車のナンバー
● 生活している空間
これは絶対に写さない・載せない。
広報で一番してはいけないのは、
「助けを必要とする人を晒すこと」。
活動紹介は、
・風景
・ボランティアの後ろ姿
・道具
・使用前後の整理写真(許可あり)
など“対象物”を中心に。
■ ③ 感情を煽らず、事実を丁寧に伝える
ボランティア広報では、
「悲惨さを強調する」
「過剰に感動を狙う」
といった表現は避けるべきです。
● 何をしたか
● どう役に立ったか
● どんな課題があるか
● 今後必要な支援はなにか
この“事実ベース”の発信が信頼を生みます。
■ ④ 活動報告は“簡潔・分かりやすく”
活動報告で大切なのは以下の3点です。
● ① いつ・どこで・誰が
● ② どんな活動をしたか
● ③ 今後への提案や課題
読み手が「自分も参加できそう」と感じる表現が理想。
■ ⑤ 「ありがとう」を中心に据えた文章にする
広報するときは、
● 被災者
● 地域住民
● 支援者
● 参加した仲間
への感謝を書くことで、
自然と温かい発信になります。
ボランティアは「誰かのおかげ」で成り立っています。
■ ⑥ 写真よりも“声”を載せる
写真が使えない場合は、
● 被災者の言葉(匿名)
● ボランティアの気づき
● 活動中の学び
こういった**「テキストの力」**だけでも十分に伝わります。
■ ⑦ 誹謗中傷・批判につながる内容は避ける
● 行政批判
● 他団体批判
● ボランティアの質の比較
● 支援が遅いという不満
こうした書き方は絶対にNG。
広報の目的は“対立を作ること”ではなく、
**“地域を良くするための仲間を増やすこと”**です。
■ ⑧ SNSでは“ハッシュタグ”が効果的
● #防災
● #災害支援
● #ボランティア
● #地域活動
● #自治体
ハッシュタグは、
“同じ志の人とつながるツール”として非常に強力。
地域での活動なら
「#〇〇市」「#〇〇町」など地名タグも有効です。
■ ⑨ 継続性を意識した発信を心がける
一度発信したきりで終わるのではなく、
● 今日の活動
● 次回の予定
● 来てくれた人への御礼
● 必要な支援
こうした断続的な発信が活動の信頼を高めます。
人が集まるのは「継続している団体」。
■ ⑩ 活動後の“振り返り発信”が最も価値がある
ただ「やりました」より、
● どんな課題があったか
● どう改善できるか
● 次に活かすポイント
● 他の地域でも使える学び
これを載せると、
読んだ人の防災意識まで高めることができます。
■ まとめ:広報は“誰かの一歩を作る防災活動”
ボランティアの広報は宣伝ではなく、
● 正しい理解
● 参加者の増加
● 地域の防災力向上
● 支援の持続性
につながる大切な活動です。
あなたの発信が、
「自分も手伝いたい」と思う人を増やします。
広報は、
新しいボランティアを生み出す“第二の支援活動” です。

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