【防災士が解説】“災害時のベビーフード問題”|乳幼児を守るために必要な食事ケアと現実的な備え方

災害時、もっとも影響を受けやすいのが「乳幼児の食事」です。
大人は我慢できても、赤ちゃんは“いつもの食事”が急に変わると体調を崩すことがあります。ここでは、防災士として現場で必ず優先する“ベビーフード対策”をまとめます。

■なぜ災害時はベビーフードが重要なのか?
・赤ちゃんは“食べられるもの”が限られている
・硬い食材は喉に詰まる危険
・味の変化に敏感で食べないことがある
・アレルギーがある場合、代用品がない
・避難所に赤ちゃん向け食事は基本用意されない

乳幼児は“特別な食事管理”が必要です。

■災害時にベビーフードが不足する理由
・家庭の備蓄量が少ない
・スーパー・ドラッグストアが閉店
・物流が止まり入荷が遅れる
・避難所の支援物資は大人食中心
・粉ミルクや離乳食は“早い者勝ち”になりやすい

特に初期〜中期離乳食はすぐ品薄になります。

■赤ちゃん向け“食事の緊急対応”
① パウチタイプのベビーフード
→ 常温で保存でき、温め不要。最優先の備蓄。

② スティックタイプの離乳食粉末
→ 水で溶かすだけで食べられる。荷物が軽い。

③ おかゆ・レトルトが便利
→ 消化しやすく、どの月齢にも対応しやすい。

④ アレルギー対応食は“必須で個別管理”
→ 代用品がないため、家庭で備えるしかない。

■お湯や水がない時の工夫
・常温で食べられるパウチを優先
・粉ミルクはペットボトルの水で作る
・哺乳瓶は洗浄が難しいため、使い捨ての袋タイプが便利
・一度開けたものは保管せずに使い切る

水の確保が難しいほど、パウチが強くなる。

■避難所での乳幼児食の注意点
・食べ物アレルギーに注意
・温めスペースがない場合がある
・大人と同じ食事は危険
・食べこぼしの処理は素早く
・夜間の授乳スペースを確保

赤ちゃんの食事は“自分で守る”必要があります。

■食器・衛生面での工夫
・使い捨てスプーン
・離乳食シリコンスプーン
・使い捨ての紙皿
・お尻拭きで手も拭ける
・ビニール袋でゴミをすぐ処理

洗い物ができない環境では“使い捨て一択”。

■外出中・車中避難でのベビーフード管理
・高温にならない場所に保管
・車は昼間に高温になるため注意
・すぐ食べられるものを前の席に
・ビニール袋にまとて管理

車中避難では温度管理が特に重要。

■災害前に備えておく“赤ちゃん食セット”
・パウチ離乳食 10〜20食
・粉ミルク or 液体ミルク
・スティックタイプの離乳食粉
・使い捨て哺乳瓶
・おかゆパック
・ベビースナック
・使い捨て食器
・ベビー用スプーン
・お尻拭き
・ビニール袋

月齢が上がるたびに備蓄の見直しが必要。

■代用品が必要な場合の応急策
・柔らかくした食パン
・スープでふやかしたご飯
・すりつぶしたバナナ
・味の薄いスープ
・豆腐

ただしアレルギーがある場合は要注意。

■まとめ
災害時のベビーフード問題は、赤ちゃんの命と健康に直結します。
食べ慣れたパウチ食・粉ミルク・使い捨て哺乳瓶を備えておくことで、避難生活でも“いつもに近い食事”を守ることができます。
乳幼児は大人のように代用できないため、家庭での準備が最重要です。

赤ちゃんの食事の備えは、家族の安心そのものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました