災害大国である日本は防災教育のレベルが高い国ですが、
世界には日本と異なる視点で取り組む「進化型の防災教育」があります。
これらは日本の防災力をさらに高めるヒントになる分野です。
■ 1. “ゲーム型防災教育”が世界では主流になりつつある
アメリカ・ヨーロッパでは、
子どもの興味を引きつけるため 防災をゲーム化 する教育が多い。
例として…
- 災害時の避難ルートを探すRPG
- 洪水発生後の判断をするシミュレーションゲーム
- 地震発生時の「選択肢形式ゲーム」
- 防災カードゲーム(海外版)
子どもが“楽しい”と思うことで、
自然と防災行動が身につく仕組みです。
日本でもカード型教材は増えているものの、
ゲーム要素の強い教材はまだ少なめ。
■ 2. “ストーリー型の避難訓練”が増えている
海外では、リアルな“物語形式”で訓練するケースが増加。
たとえば…
- 「火災で煙が広がってきた」というシナリオ
- 「家族が離れ離れになった」というシナリオ
- 「避難先で物資が不足している」などの状況設定
単なる避難行動だけでなく、
“判断力を鍛える訓練”が中心になっているのが特徴。
日本の訓練は「整然と行動する」ものが多いため、
今後はストーリー型が効果的と言われています。
■ 3. “ロールプレイ”で支援の現場を体験
特にヨーロッパでは、
被災者・支援者・医療・行政などを役割分担して
本番さながらの体験形式 の教育が多い。
これにより…
- 誰がどの役割か
- 何が不足するのか
- 感情面の理解
- 多職種連携の必要性
これらがリアルに学べる。
日本もロールプレイは存在するが、
海外の方が「踏み込んだ体験型」が多い。
■ 4. “クリエイティブ防災”という新しい潮流
アート・音楽・映像と防災を組み合わせた教育。
例:
- 災害の記録をアニメーションにする
- 音楽で避難行動を覚える
- アート作品でリスクを可視化する
視覚・聴覚を使うことで記憶に残りやすく、
海外の大学やNPOで広まっている考え方です。
日本は作品の質が高いので、
この分野はもっと伸びる可能性が大きい。
■ 5. “多文化防災”が当たり前になっている国が多い
ヨーロッパやオセアニアでは、
- 英語
- アラビア語
- フランス語
- 中国語
- スペイン語
など、多言語で防災情報を発信するのが標準。
日本は近年改善されつつあるが、
まだまだ「英語・中国語中心」で種類が少ない。
在留外国人が増える今、
多文化防災は必須になる分野です。
■ まとめ
世界の防災教育は、
“楽しく・体験的で・多文化” がキーワード。
- ゲーム型
- ストーリー型
- ロールプレイ
- アート×防災
- 多文化対応
日本は「真面目・丁寧・整然とした防災教育」が強みですが、
世界のアプローチを取り入れることで、
さらに“行動につながる防災”が実現できます。

コメント