災害による帰宅困難は、夏より冬のほうが深刻です。
理由は「寒さ」「日没の早さ」「体力消耗」が重なるため。
ここでは、冬に帰宅困難が起きるリスクと、家庭でできる対策をまとめます。
■ 1. 冬は“歩けない距離”が大幅に増える
冬の寒さは、体力の消耗スピードを一気に早めます。
【冬の徒歩帰宅が過酷な理由】
- 体温が奪われ、筋肉が硬くなる
- 呼吸が浅くなり、疲労感が倍増
- エネルギーの消費が急増
- 風が強く、体感温度がさらに低い
- 日没が早く、視界が悪くなる
普段は歩ける10kmでも、冬は“半分以下の距離”が限界になることも。
■ 2. 積雪・凍結で交通機関が止まりやすい
特に北陸・東北・北海道では、これが最大の原因です。
【帰宅困難につながりやすい冬の交通トラブル】
- 鉄道のポイント凍結
- 送電線への着雪で停電 → 駅閉鎖
- 大雪による路線バス運休
- 高速道路の通行止め
都市部でも、数cmの雪で電車が麻痺することがあります(関東での事例多数)。
■ 3. 冬は“災害×停電”が同時発生しやすい
冬の災害は組み合わせで起きることが多いのが特徴。
例:
大雪 → 電線着雪 → 停電 → 暖房ストップ → 駅の混雑 → 帰宅困難
体温が奪われると行動力が落ち、判断ミスも増えます。
■ 4. 冬の帰宅困難に備えて持っておくべきもの
カバンの中に、最低限この6つを。
- モバイルバッテリー(2万mAh以上推奨)
- カイロ(10個前後)
- 手袋・ネックウォーマー
- アルミブランケット
- 小さなチョコ・羊羹などの行動食
- 折りたたみ傘(横風対策に便利)
これだけで「寒さによる体力消耗」を大幅に防げます。
■ 5. 会社・学校で“冬の帰宅困難計画”を決めておく
冬は無理に歩くと危険。
【事前に話し合うべきポイント】
- どの条件で“帰宅しない”判断にするか
- 帰宅困難時の備蓄(カイロ・食料・毛布)
- 充電ステーションの場所
- 同僚・家族との連絡方法
- 宿泊できる場所の確保ルール
「帰らない」という選択が冬は命を救います。
■ 6. 冬の徒歩帰宅ルートは、夏と違う視点で選ぶ
冬ならではのポイントがこちら。
- ビル風の強さ
- 夜間の明るさ(冬は真っ暗)
- 隆起・凍結しやすい道
- 避難可能なコンビニ・施設の位置
- 上り坂・下り坂の凍結ポイント
夏と同じルートでは危険なことが多々あります。
■ 7. まとめ|冬の帰宅困難は“寒さ×交通障害×停電”の複合災害
冬の帰宅困難は、以下の条件が重なることで発生します。
- 交通インフラが止まりやすい
- 体力の消耗が極端に早い
- 日没が早く、視界が危険
- 停電や凍結で周囲の環境が悪化
だからこそ、冬は“備えていれば助かる災害”です。
通勤カバンの中身を少し変えるだけで、
あなた自身も家族も、冬の災害に圧倒的に強くなります。

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