冬は、年間で最も火災が多い時期です。
乾燥・暖房・電気負荷の増加が重なり、火元が増えるのが理由。
ここでは、冬に火災が多発する原因と、家庭でできる火災対策をまとめます。
■ 1. 空気が乾燥し“火のつきやすさ”が急上昇
11月〜3月は湿度が下がり、紙・布・木材などが非常に燃えやすい状態になります。
【乾燥が招く危険】
- ひとたび火がつくと一気に延焼
- 静電気で火花が飛びやすい
- ストーブ周辺の布類が引火しやすい
消防庁の統計でも、冬の火災件数は他の季節より圧倒的に多い傾向。
■ 2. 暖房器具の増加で火元が増える
冬の火災原因の上位は、ほぼ“暖房器具”です。
【特に多いもの】
- 石油ストーブ
- 電気ストーブ
- こたつの電源コード
- ファンヒーター周りの可燃物
- ガスストーブの不完全燃焼
暖房の近くに
「カーテン」「洗濯物」「布団」「紙袋」
があると非常に危険です。
■ 3. コンセント火災(トラッキング)が急増
冬は電気使用量が年間で最大。
加湿器・暖房・こたつ…と複数の家電を同時に使うため、
コンセントに負荷がかかります。
【冬に起きやすいコンセント火災】
- ホコリに湿気が溜まり発火(トラッキング現象)
- 延長コードの使いすぎ
- たこ足配線
- 老朽化した電源タップ
暖房 × 湿気 × ホコリ
は、冬ならではの危険な組み合わせです。
■ 4. 年末年始は“料理火災”も増える
冬は家で料理する時間が増えます。
【料理中の火災原因】
- 揚げ油の加熱
- 鍋の空焚き
- コンロ周りの可燃物
- ガス漏れの見落とし
冬休み・年末年始は家族が集まり、火の元が増加するのも要因です。
■ 5. 高齢者の火災死亡率が高い季節
冬は高齢者の火災死が特に増えます。
【背景】
- 暖房器具を近くに置きすぎる
- 寝たばこ
- 逃げ遅れ
- 足腰が弱く避難が遅れる
火災被害の約6割は“逃げ遅れ”が原因です。
■ 6. 冬の火災対策|今日からできる6つ
- ストーブの周り1m以内に物を置かない
- エアコンと加湿器の位置を離す
- コンセント周りのホコリ掃除
- こたつのコードを毎年点検
- 寝る前に全ての暖房をOFF
- キッチンで“絶対にその場を離れない”
これだけで冬の火災の大半は防げます。
■ 7. 住宅用火災警報器は“冬前に”点検
冬の火災対策で最強の装備。
【点検方法】
- ボタンを押して「ピッ」音を確認
- 電池切れサインが出ていないか
- 設置から10年以上なら交換
火災警報器は、逃げ遅れを防ぐ最後の砦です。
■ 8. まとめ|冬は“火が出る条件”が揃いすぎている季節
- 空気が乾燥
- 暖房器具が増える
- 電気使用量が急増
- 料理時間が増える
- 高齢者が火に近づきやすい
冬の火災は“起こるべくして起こる”ともいえます。
今日の行動だけで、あなたの家と家族を守ることができます。
冬は“火の元を2倍慎重に”。これだけで安全度は大きく変わります。

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