【防災士が解説】福岡の“土砂災害リスク”は実は全国トップ級安全に暮らすために知っておくべきポイント

福岡と聞くと「都会」「海沿いの街」「食べ物が美味しい」などのイメージが強いですが、
実は 土砂災害のリスクが全国トップクラス に高い地域でもあります。

都市部と山の距離が極端に近く、人口密度が高いため、
ひとたび災害が起きると大きな被害につながるのが特徴です。

ここでは、福岡における土砂災害の“危険性”と“具体的な備え方”をまとめます。


■ 1. 福岡が“土砂災害リスクが高い県”と言われる理由

● ① 山地×住宅地が異常に近い

福岡市・北九州市・宗像・太宰府・久留米などは
「平地と急斜面が隣接」 している地域が多く、
少し奥に入るとすぐに急峻な山が迫っています。

斜面崩壊の危険度が高い地形です。

● ② 警戒区域(イエロー・レッド)が非常に多い

福岡県は

  • 土砂災害警戒区域(イエロー)
  • 特別警戒区域(レッド)
    の指定数が全国的にも多い県。

特に太宰府・糟屋・早良・宗像は区域密度が高め。

● ③ 梅雨豪雨の“通り道”

毎年のように

  • 線状降水帯
  • 停滞前線
  • 台風前後の豪雨
    が直撃し、大雨が長時間続く地域。

● ④ 住宅地の開発速度が早い

福岡は人口増加が続くめずらしい県。
そのため、山の近くまで住宅開発が進んでいるエリアが多く、
「土砂災害リスクが高い場所に新しい家が建つ」
パターンが見られます。

● ⑤ 過去の大規模災害が多い

代表例:

  • 平成29年 九州北部豪雨(朝倉・東峰)
  • 令和3年・令和5年の豪雨災害

土石流・崩壊の事例が毎年のように発生しています。


■ 2. 自分の家が安全かどうか“3つのチェック”

● ① ハザードマップで斜面との距離を確認

  • 土砂災害警戒区域(イエロー)
  • 特別警戒区域(レッド)
  • 避難ルートに斜面がないか

特に、家の裏が山の場合は必須。

● ② 家の裏の斜面の角度を見る

目安:斜度 30°以上 は危険。
大雨時は「小石の落下」「濁り水」「地鳴り」は即避難レベル。

● ③ 夜間の災害を想定

土砂災害の多くは夜間〜早朝に起きます。

就寝中でも

  • スマホの音量最大
  • 緊急速報オン
  • 家族の避難役割の共有
    は必須。

■ 3. 土砂災害から命を守る“正しい避難”

● ① 警戒レベル3で“高齢者は避難開始”

高齢者・子ども・妊婦は早めに動く。

● ② レベル4で“全員避難”

土砂災害は「一瞬で家ごと押し流される」ため、
レベル4のタイミングで動かないと手遅れになりやすい。

● ③ 斜面の上より“斜面から離れた水平避難”

避難タワーなどは不適。

斜面から遠くへ移動する のが正解。


■ 4. 福岡ならではの“備えポイント”

● ① 車は山の近くに置かない

裏山+駐車場=崩壊で車ごと巻き込まれるリスク大。

● ② 夜間雨量の基準を決める

例:

  • 1時間50mm
  • 3時間で100mm
  • 警戒レベル3で全員準備

これだけで家族が迷わない。

● ③ 福岡県防災アプリ「まもるくん」を常備

土砂災害警戒情報の通知が早い。


■ 5. まとめ

福岡は
水害 × 土砂災害 × 豪雨 × 都市化
が同時に発生しやすい、日本でも特に複雑な防災環境です。

そのため、
「行政の対策が進んでいるから安心」
という思い込みは非常に危険。

  • 自宅裏の斜面
  • 警戒区域
  • 雨量基準
  • 避難ルート
    これらを日常的に確認しておくことが、
    福岡で暮らすうえでの“命を守る基本”になります。

土砂災害は一瞬で命を奪う災害。
早めの避難と普段からの備えが、福岡の生活ではとても重要です。

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