(元消防職員・防災士)
冬の寒波は、地震や台風と同じレベルで命に関わる災害です。
特に近年は「突然の停電」「水道管凍結」「車の立ち往生」など、冬特有のリスクが増えています。
この記事では、家族が安全に冬を乗り切るための “冬の防災プロ対策” をまとめます。
■ 1. 寒波で起こる3つの重大リスク
冬の災害で最も危険なのはこの3つです。
① 停電(暖房ストップ)
夜間の気温が0℃以下だと、数時間の停電で低体温症の危険がある。
② 断水・水道管凍結
水が出ないと、飲み水・トイレ・料理のすべてがストップする。
③ 移動不能(車・公共交通の停止)
道路凍結・大雪で身動きが取れず、帰宅困難になることも。
寒波は「冬の複合災害」と言われるほど、同時に起こりやすいのが特徴です。
■ 2. 今日からできる“家の寒波チェック”
◎ 窓の隙間風はないか?
冷気は90%以上が「窓」から入る。
隙間テープを貼るだけで室温が2〜3℃変わる。
◎ カーテンは床まで届いているか?
短いカーテンは暖房効果を落とす。
可能ならニ重カーテン(冬用)がおすすめ。
◎ 玄関ドアの下に隙間はないか?
ここから冷気が大量に入る。
タオルや隙間ストッパーで防ぐ。
◎ 水道管は外にむき出しになっていないか?
外気に触れている配管は凍結しやすいため、タオルや保温材で巻いておく。
■ 3. 停電に備える“冬の備蓄リスト”
冬は「暖を取る備蓄」が命を守ります。
◎ カイロ(大量に)
体温維持に最強。
背中・腰・お腹に貼ると効果大。
◎ 毛布・寝袋・ブランケット
特に寝袋は停電時の防寒に最適。
◎ モバイルバッテリー
冬はスマホの電池が減りやすい。
◎ ランタン・ライト
夜の停電は転倒・ケガのリスクが高い。
◎ レトルト食品・水(3日分)
寒波は流通も止まりやすい。
■ 4. 停電になったら絶対にやること
① すぐに暖かい部屋に集まる
一家全員が同じ部屋に集まるだけで体感温度は上がる。
② ドア・窓を完全に閉じる
室内の熱を逃がさないことが最優先。
③ 体を温める
- カイロ
- 湯たんぽ
- 服を重ね着
- 首・手首・足首を温める
④ ガスストーブ使用時は“換気必須”
不完全燃焼は命に関わる。
窓を2〜3cmでも良いので開ける。
■ 5. 車に乗る人は必ず準備したい“冬の車内防災”
大雪で車内に閉じ込められる事故が増えています。
◎ 車に積んでおくべき物
- 毛布・寝袋
- カイロ
- 水・非常食
- スノーブラシ
- スコップ
- モバイルバッテリー
- 満タンのガソリン
◎ エンジンをつけるときは
排気口が雪でふさがれていないか必ず確認。
→ 一酸化炭素中毒の危険。
■ 6. 低体温症の初期サインを知っておく
冬の災害では「低体温症」が最大の敵です。
◎ 初期症状
- 強い震え
- 手足のしびれ
- 思考がぼんやりする
◎ 危険症状
- 震えが止まる
- 返事が遅くなる
- 歩けなくなる
※震えが止まったら“重度”です。緊急性が高い。
■ 7. まとめ
冬の寒波は、普段の生活レベルの備えだけでは足りません。
✔ 冬は停電が致命的
✔ 家のすき間風チェックは今日できる
✔ カイロ・毛布・寝袋は命を守る
✔ 車内閉じ込め対策は絶対に準備
✔ 水道管凍結はタオル巻きで予防
✔ 低体温症は“震えが止まる”と危険
寒さは“静かな災害”。
だからこそ、事前準備があなたと家族を守ります。

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