◆はじめに
大きな地震が起きても、
「大丈夫だろう」「たいしたことないはず」という心理が働き、
本来すべき行動が遅れることがあります。
これが “正常バイアス”。
消防の現場でも、被害を大きくしてしまう原因として頻繁に見られます。
今回は、揺れた直後に人がやってしまいがちな 危険行動5つ を
元消防職員・防災士の視点でわかりやすく解説します。
① スマホを探して動き回る
揺れの直後は落下物が多く、動くほど危険です。
なぜ危険?
- 家具の転倒は“余震”で起きやすい
- ガラス片を踏んでケガをする
- 閉じ込めにつながる可能性もある
まずは頭を守り、揺れが収まってからスマホ確認。
② 外へ飛び出す
気持ちはわかりますが、これは最悪の行動です。
危険理由
- 瓦、看板、窓ガラスの落下が最も多い
- 階段・外廊下は揺れに弱く、転倒リスクが高い
- 屋外は避難者が殺到し混乱が起きる
揺れている間は“動かない”が正解。
③ エレベーターを使う
揺れを感じた直後、エレベーターに乗る人は多い。
ですが…
- 停電で閉じ込め
- かごが傾き二次災害
- 余震で最寄り階に停止しない
揺れが収まっても、必ず階段を使うこと。
④ 家の中を無闇に歩き回る
部屋の安全確認をすぐにしたくなる気持ちもわかります。
しかし危険ポイント
- ガラス・破片・散乱物が足元に
- 余震で大きな家具が倒れる
- 特に暗い夜間は視界が悪くケガする可能性が高い
まずは出口確保→最低限の危険箇所だけチェック。
⑤ 「避難しない理由」を探してしまう
正常バイアスの最たるものはコレ。
よくある言葉
- 「うちの家は大丈夫」
- 「まだ様子を見よう」
- 「今は面倒だし…」
その数分の迷いが“致命的な遅れ”になります。
避難基準は『迷ったら避難』が正解。
◆まとめ
揺れた直後は、人の心理が“状況を軽く見よう”と働きます。
ですが、災害時ほど「いつも通り」が一番危険。
避けたい5つの行動
- スマホを探して歩く
- 外に飛び出す
- エレベーターを使う
- 無闇に歩き回る
- 避難を先延ばしにする
行動はシンプルで良い。
命を守るためには、「危険な行動をしない」ことが最優先です。

コメント