福岡は「地震が少ない地域」というイメージがあります。
実際、関東・東北・静岡などと比べると大地震の発生頻度は低めです。
しかし——
“少ない”=“起きない”ではありません。
ここでは、福岡が地震リスクで「誤解されやすい理由」と、
本当に備えておくべきポイントを分かりやすく解説します。
■ 1. 福岡の地震が“少ないように見える”理由
● ① 活断層が都市部に直接走っていない
東日本のように都市直下の断層が多い地域と比べ、
福岡市・北九州市のど真ん中を通る断層は少なめ。
● ② 過去100年間で“巨大地震”が少なかった
統計的には揺れが小さい年が多く、
市民の「地震はあまりない」という印象につながっている。
● ③ 気象災害(豪雨・台風)が強烈で、地震リスクが目立たない
福岡は豪雨・水害の印象が強く、
地震防災が後回しになりやすい県でもある。
■ 2. 実は福岡も“地震が多い地域”
2005年の「福岡県西方沖地震(M7.0)」では、
福岡市で震度6弱の強烈な揺れを記録。
- 倒壊家屋
- 死傷者
- 断水・液状化
- 余震の増加
など、都市直下に近い現象が起きた。
また、周辺には以下の活断層が存在する。
● 警固断層帯
福岡都市圏の大地震リスク。
● 浮羽断層帯
筑後地方の広範囲で揺れが予想される。
● 福智山断層帯
北九州市に影響。
「100年静かでも、次の1日で変わる」のが地震です。
■ 3. 福岡の“都市部は地盤に弱点”がある
● 埋立地(百道・香椎・箱崎・博多湾沿い)
液状化リスクが高い。
● 山沿い(早良区・城南区・太宰府・糟屋町)
斜面地が多く、地すべりの危険あり。
● 狭い道路・密集地(博多・西新・北九州小倉)
倒壊家屋・火災で避難が難しくなる可能性も。
都市部ほど“耐震×火災×液状化”の3つの危険が重なる。
■ 4. 福岡で地震が起きた場合の“想定される影響”
● ① 物流が止まる
島国+高速道路依存のため、被害が集中すると数日で物流が低下。
● ② 断水が都市部で起きる
西方沖地震の際も水道被害が大きかった。
● ③ 避難所が満員
人口密度の高い福岡市では、体育館がすぐ満室になる可能性。
● ④ 都心の火災
天神・博多などのビル密集地は、火災連鎖のリスクが高い。
■ 5. 福岡で備えておくべき“都市型の地震対策”
● ① 家具固定
福岡の地震死者の大半は家具転倒と予測されている。
● ② 水の備蓄(最低3日、理想は7日)
地震+断水のコンボに備える。
● ③ 非常食は“少し多め”に
福岡は物流が止まりやすい地形のため。
● ④ モバイルバッテリー
停電・通信障害に備える。
● ⑤ 職場・学校の“帰宅判断”を家族で決めておく
福岡都市部は混雑・交通麻痺が起きやすい。
■ まとめ
福岡は「地震が少ない県」のイメージがあるものの、
実際は“リスクが低いのではなく、表面化していないだけ”。
- 活断層は確実に存在する
- 2005年の地震は“都市直下級”だった
- 都市部は地盤の弱点が多い
- 物流と断水リスクは全国トップクラス
だからこそ、
“豪雨だけでなく地震にも備える”ことが、
福岡の家庭防災で最も重要になります。
明日は突然変わる——
だからこそ、今日の備えが未来の命を守ります。

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