【防災士が解説】玄関ドアが開かない“瞬間”にやるべき初動対応

(元消防職員・防災士)

地震・浸水・建物変形など、
災害時に「玄関が開かない」は非常に危険なサインです。
避難が遅れる最大の要因になるため、即行動が必要です。


■ 1. 無理に開けようとしない(挟まれて怪我の恐れ)

ドアが歪んでいる場合、力任せに開けるとケガにつながります。

◎ ドアが軋む

◎ 枠に食い込んでいる

◎ 片側だけ浮いている

この状態は建物の変形の可能性。


■ 2. まず“別の出口”を確認

玄関以外に避難ルートがある家は多いです。

◎ 勝手口

◎ ベランダ

◎ 庭側のサッシ

◎ ガレージ側の扉

複数の出口を一瞬でチェック。


■ 3. ベランダからの避難が有効(特にマンション)

マンションは“ベランダ伝い避難”が基本。

◎ 隔て板を靴で破る

◎ 隣室へ移動

◎ 反対方向の非常階段へ

火災・地震時の正式な避難手段です。


■ 4. 浸水が原因なら“水圧で開かない”

水が外にあると、ドアはほぼ開きません。

◎ 無理に押さない

◎ 2階以上に避難

◎ 窓から脱出できるか確認

水圧に逆らうのは不可能です。


■ 5. 建物の傾きが原因なら即避難

玄関が開かないのは、建物の“歪み”のサイン。

◎ 屋内のドアも開きにくい

◎ 壁に亀裂

◎ 床の傾き

建物倒壊の前兆のこともあります。


■ 6. どうしても玄関を開けたい場合の方法

※あくまで緊急時のみ

◎ 蹴るのはNG(怪我する)

◎ 取手ではなく“ドア全体”を押す

◎ 枠側を押すと開く場合がある

それでも開かない場合は諦める。


■ 7. 外に出られない場合は“救助を呼ぶ”

ドアが歪んで外に出られない=十分に救助対象。

◎ ベランダからSOS

◎ スマホで119番

◎ 大声・懐中電灯で合図

閉じ込められた場合は迷わず救助要請。


■ 8. 子ども・高齢者がいる家は“とにかく上方向へ”

避難が難しい家族は、まず高い場所へ避難。

◎ 2階

◎ ロフト

◎ 階段の上側

玄関が開かない=逃げ遅れが最も危険。


■ 9. まとめ

✔ 無理に開けようとしない

✔ 別の出口(勝手口・窓・ベランダ)を確認

✔ ベランダ避難は有効

✔ 水圧・建物変形は無理に開かない

✔ 外に出られない場合は救助要請

✔ 子ども・高齢者はまず上階へ

玄関が開かないのは“重大な災害のサイン”。
最初の行動ひとつで、生存率が大きく変わります。

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