【防災士が解説】川の水位が急に下がった“瞬間”にやるべき初動対応

(元消防職員・防災士)

川の水位が「急に下がる」「流れが弱くなる」
これは“上流で巨大な水の塊が迫っているサイン”です。
鉄砲水・津波・堤防決壊の前兆であり、秒単位で危険が迫ります。


■ 1. その場から走って離れる(川から直角方向へ)

水位低下は“巨大な水が押し寄せる直前”。

◎ 川沿いを走らない

◎ 必ず川と直角方向へ逃げる

◎ 高台があればそこへ向かう

鉄砲水は時速30〜40km。
走っても逃げ切れない場合があるため、とにかく距離を取る。


■ 2. 見に行かない(最も多い死亡原因)

川の異変を“見に行った人”が流されるパターンが圧倒的。

◎ 河川敷

◎ 橋の上

◎ 土手

どれも絶対に近づかない。


■ 3. 子ども・高齢者を優先して避難

川遊びや散歩中の家族がいる場合、
一刻を争う状況です。

◎ 子どもは抱えて移動

◎ 高齢者は手を引かず背負う

◎ 水路周辺に残さない

鉄砲水は数秒で人を飲み込みます。


■ 4. 車での退避は危険(道が逃げ道にならない)

川沿いの道路は、鉄砲水の通り道になります。

◎ 車は使わない

◎ 道路冠水の可能性大

◎ 車ごと流される

徒歩が最速で最も安全。


■ 5. “濁った水・流木・泡”は鉄砲水の直前サイン

鉄砲水は必ず前兆があります。

◎ 水が濁る

◎ 流木が増える

◎ 泡の帯が広がる

◎ ゴゴゴ…と音がする

この段階は“秒で逃げる”べき状況。


■ 6. 上流が大雨・地震後なら危険度が3倍

上流での大雨・地震・土砂崩れは、

◎ 大量の水が一気に流れてくる

◎ ダムの緊急放流の可能性

◎ 土砂ごと流れてくる

下流は晴れていても危険。


■ 7. 水位低下=津波の可能性もある(沿岸部)

沿岸部では“海水が急に引く”と津波前兆です。

◎ そのまま高台へ

◎ 避難ビルへ直行

◎ 見に行かない

津波は引いた分以上に、巨大な波が押し寄せる。


■ 8. まとめ

✔ 川から直角方向に即退避

✔ 異変を見に行かない

✔ 子ども・高齢者を優先避難

✔ 車は使わない

✔ 濁り・流木・泡は鉄砲水直前サイン

✔ 上流の天候・地震にも注意

✔ 海沿いでは津波の可能性もある

川の水位が“急に下がる”のは、
自然災害の中でも最も危険な前兆のひとつです。
発見した瞬間に逃げる──それだけで命は守れます。

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