【防災士が解説】焦げ臭いニオイを感じた“だけ”の時の初動対応

(元消防職員・防災士)

火は見えないのに「焦げ臭い」「焼けた匂いがする」
この状況が最も危険です。
火元不明の火災は、気づいた時点で相当進行している可能性があります。


■ 1. 「どこから?」を探さず、とにかく家族へ声をかける

火元探しをしている間に煙が広がります。

◎ 「全員こっち来て!」

◎ 赤ちゃん・高齢者は抱えて移動

◎ ペットもすぐ確保

まず“集める”ことが命を守る第一歩。


■ 2. ブレーカーを落とす(電気火災の可能性が高い)

焦げ臭いの原因の多くは“電気系統”。

◎ 配電盤の主ブレーカー

◎ 漏電ブレーカー

電気を切ることで進行を止める可能性があります。


■ 3. 台所・コンセント周り・家電を“離れて”確認

火元を探す行動は危険ですが、
目視での安全確認は必要。

◎ 触らない

◎ 近づきすぎない

◎ 火花が出ていないかを見るだけ

触ると感電や爆発の危険があります。


■ 4. 充電中のスマホ・バッテリーは最優先で避難対象

モバイルバッテリー、電動工具バッテリーなどは
発火時に爆発する可能性があります。

◎ 触らずその部屋から離れる

◎ コンセントは抜かない(火花の危険)

バッテリー火災は非常に危険です。


■ 5. 煙が少しでも見えたら“即避難”

焦げ臭いのみ → 超危険
煙が出始めた → 危険度MAX

◎ 四つん這い

◎ 口と鼻を布で覆う

◎ 火元方向から離れる

火は見えなくても煙は命を奪います。


■ 6. 外に避難してから119番通報

家の中で通報するのは危険。

◎ 一度外へ出る

◎ 建物から距離を取る

◎ 住所・状況・人数を伝える

火元不明の火災は消防も最優先出動します。


■ 7. 外に出た後は絶対戻らない

焦げ臭い=内部で発火している可能性が高い。

◎ 隠れ火災(壁内・床下)が最も危険

◎ 天井裏で燃えていることも

◎ 漏電火災は一気に広がる

「少し見に戻る」は死亡リスクが跳ね上がります。


■ 8. まとめ

✔ 火元を探さない、まず家族を集める

✔ ブレーカーを落とす

✔ 家電・コンセントには近づきすぎない

✔ 少しでも煙が見えたら即避難

✔ 119番は外に出てから

✔ 戻らない(火元不明は最も危険)

焦げ臭いだけでも“火災の初期”が始まっています。
火が見えない段階こそ、最速の初動が命を救います。

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