【防災士が解説】床の濡れ・天井の水滴に気づいた“瞬間”の初動対応

(元消防職員・防災士)

床が濡れている、天井からポタポタ音がする──
これは単なる“水漏れ”ではなく、
災害時には「天井崩落・漏電・階上破裂」の前兆であることがあります。

最初の10分の対応で、被害を大幅に抑えられます。


■ 1. まず“水の種類”を確認(触らない・近づきすぎない)

床の水が何由来かで、危険度が変わります。

◎ 透明…給水管の破裂・天井浸水

◎ 汚れた水…上階の排水管トラブル

◎ 匂いがある…下水逆流の可能性

◎ カビ臭…放置された長期漏水

濡れた箇所には近づきすぎない。


■ 2. 天井の“たわみ・膨らみ”がある場合は即離れる

天井への水溜まりは、崩落の直前です。

◎ 天井が丸く膨らむ

◎ シミが急拡大

◎ ポタポタが次第に“ドスドス”に

真下に立つのは極めて危険。


■ 3. ブレーカーを落とす(漏電火災のリスク)

水×電気は最悪の組み合わせ。

◎ 漏電ブレーカー

◎ 主ブレーカー

天井裏・床下の配線が濡れると火災につながります。


■ 4. 上階の住人に“すぐに”確認(マンションの場合)

多くの原因は上階の水回りトラブル。

◎ お風呂の溢れ

◎ 洗濯機ホース外れ

◎ 給湯器トラブル

対応が早いほど、被害を最小にできます。


■ 5. 水が流れ続けているなら、給水元栓を閉める

自宅内の給水管破裂の可能性がある場合。

◎ 浴室

◎ 洗面所

◎ キッチン

家全体の止水栓を閉じれば一旦止まる。


■ 6. 下水の逆流が疑われる場合は“絶対に触らない”

衛生的に最も危険。

◎ トイレ・浴室の水かさ増加

◎ 悪臭

◎ 床の水が濁っている

触らず避難も検討。


■ 7. 天井浸水の際は“階下への被害”を防ぐためにバケツ配置

落ちる水をまとめるだけで大きな被害を防げる。

◎ バケツ

◎ 雑巾

◎ ビニールシート

ただし天井が膨らむ場合は近づかない。


■ 8. 建物被害が大きいと判断したら避難

特に災害(地震・豪雨)後は、建物損傷の可能性が高い。

◎ 水が止まらない

◎ 天井が軋む

◎ 複数箇所で漏水

◎ 壁に亀裂

建物崩落の前兆。迷わず外へ。


■ 9. まとめ

✔ 水の種類を遠くから確認

✔ 天井が膨らんでいたら即離れる

✔ ブレーカーを落とす(漏電対策)

✔ 上階に確認(マンション)

✔ 給水元栓を閉める

✔ 下水逆流は触らない

✔ 建物損傷の疑いは避難

床の濡れ・天井の水滴は“建物のSOS”。
初動を誤らなければ、命も財産も守れます。

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