水害は“判断の遅れ”が命に直結する災害
豪雨・台風・線状降水帯などにより、
「河川の水位が急上昇」「ダムの緊急放流」 が迫る状況では、
ほんの数十分の判断が命を左右します。
元消防職員・防災士として、九州北部豪雨・熊本地震派遣の経験をもとに
“水害危険時の初動対応” をまとめました。
■ 1. 【キキクルを確認】危険度が“上昇傾向か”が最重要
水害は “変化のスピード”が危険度と直結。
- キキクル(洪水・土砂災害)
- 福岡県防災アプリ「まもるくん」
- 河川カメラ
- 水位観測所のデータ
「危険度4(避難指示)」「危険度5(緊急安全確保)」は即行動。
■ 2. 【川を見に行かない】最も多い致命的行動
水害の死者の大半は “見に行った” ケース。
- 水位は短時間で急上昇
- 夜間は流れが見えない
- 風と雨で足元の音が消える
- 近づいた瞬間に転倒→流される
現場では「見に行った人」ほど被害に遭っています。
■ 3. 【浸水ルートを確認】家が浸かる順番を知っておく
浸水は 低い場所から静かに入り込む。
- 家の前の側溝
- 玄関の段差
- 駐車場の傾斜
- 用水路の位置
浸水ルートを把握すると、避難判断が数倍早くなります。
■ 4. 【避難のタイミングは“早期”】危険度4でほぼ決断
水害は“早く逃げた人ほど安全”。
- 高齢者・子ども → 危険度3(高齢者等避難)で動く
- 一般家庭 → 危険度4(避難指示)で避難開始
- 夜間・豪雨・道路冠水 → 迷ったら即避難
水害での避難遅れは、ほとんどが 「様子を見た」 が原因。
■ 5. 【避難先は“垂直避難”も選択肢】車避難は事故率が高い
車避難は冠水・渋滞でリスクが増加。
- 自宅2階
- マンション上層階
- 近くの高台
- 可能なら指定避難所
ただし 氾濫・破堤の恐れがあるときは即水平避難。
■ 【まとめ】
水害は「見に行く・待つ」が最も危険。
初動の早さで安全度が大きく変わります。
- キキクルで危険レベル確認
- 川を見に行かない
- 浸水ルートを確認
- 避難判断は“危険度4”で
- 垂直避難も選択肢にする
確実性が高く、実際の災害現場でも有効だった行動です。

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