【防災士が解説】道路が冠水し始めた“最初の5分”で取るべき初動対応

(元消防職員・防災士)

大雨の日、「道路に水が溜まり始めた」「側溝が逆流している」
この段階は“浸水の前兆”であり、5分の判断が命を守ります。


■ 1. まず外を見に行かず、窓から確認する

冠水の確認で外に出るのは危険。

◎ 側溝の吸い込み

◎ マンホールの噴出

◎ 転倒・流される危険

水は浅くても流れが強いと動けません。


■ 2. 車は絶対に動かさない

最も多い死亡要因は“車で冠水路に突入すること”。

◎ 30cmでエンジン停止

◎ 50cmで車は浮く

◎ 1mで完全に流される

冠水した道路は絶対に走行しない。


■ 3. 家の浸水リスクを確認

次のポイントを見て判断します。

◎ 道路との高低差

◎ 雨の勢い(30分の雨量)

◎ 下水の逆流の有無

水位が上がる速度が早いほど危険。


■ 4. 家族に即連絡し「入らない・出ない」を徹底

子ども・高齢者に特に注意。

◎ 絶対に道路に近づかない

◎ 玄関前も危険

◎ 高齢者は早めに2階へ

水は静かに“足元から命を奪う”災害です。


■ 5. 浸水が迫ってきたら“2階へ避難”

床上浸水が起きる前に、最も重要なのは高さを確保すること。

◎ コンセントより上に家電を移動

◎ 大事な書類(保険証券・通帳)を持って2階へ

◎ 貴重品・非常持ち出し袋も一緒に

時間との勝負ですが、慌てず確実に動く。


■ 6. 夜の場合は“早め早めの避難”

夜は水位の上昇に気づきにくく、逃げ遅れの原因になります。

◎ 不安なら即2階へ

◎ 停電の可能性もある

◎ 懐中電灯・ランタンを準備

夜の冠水は危険度が昼の3倍。


■ 7. まとめ

✔ 冠水確認のため外に出ない

✔ 車は動かさない

✔ 家族に“出ない・入らない”を徹底

✔ 早い段階で2階へ避難

✔ 夜は特に早めの判断を

道路冠水は「まだ大丈夫」と思った人から被害に遭います。
最初の5分で冷静に動くことが、命と家を守る最大の初動対応です。

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