【防災士が解説】停電・断水・通信障害が同時に起きた“瞬間”の初動対応

(元消防職員・防災士)

災害時は一つのトラブルでは終わりません。
「停電+断水+通信が繋がらない」という複合災害は実際に多発しています。
最初の30分が、生活の継続力を大きく左右します。


■ 1. まず“安全の確保”が最優先

同時トラブル状態では家の中での怪我が一番危険。

◎ 足元確認

◎ 懐中電灯 or ランタン点灯

◎ 子ども・高齢者を近くに集める

明かりを確保してから行動開始。


■ 2. ブレーカーを落とす(通電火災対策)

停電が復旧する時に火災が起きやすく、
複合災害では消防到着が遅れます。

◎ 漏電ブレーカー

◎ 配線ブレーカー

完全にOFFにします。


■ 3. 水の“完全停止”を確認し、出るうちに確保

断水は初期だけ蛇口に残った水が出ます。

◎ ペットボトル

◎ 鍋

◎ バケツ

◎ 風呂に水をためる

生活用水が最も重要。


■ 4. スマホの通信が死んだら“節電モード+1割のみ使用”

複合災害では通信障害が長く続く可能性があります。

◎ 機内モード+Wi-Fi ONで繋がるか確認

◎ 節電モード

◎ 画面輝度最小

スマホのバッテリーが命の綱。


■ 5. ラジオで情報収集(最強のツール)

通信が繋がらなくても防災ラジオは動きます。

◎ NHK

◎ 自治体放送

◎ FM緊急情報

スマホより確実で、通信障害に強い。


■ 6. 冷蔵庫は開けない

停電が長期化すると食材がすぐに傷みます。

◎ 開閉ゼロ

◎ 冷凍庫の保冷剤で延命

◎ 温度の高い物を入れない

冷蔵庫は“閉めたまま”が正解。


■ 7. トイレは携帯トイレに切り替える

断水した時点で水洗はNG。

◎ 便座にセット

◎ 排泄物を凝固剤で固める

◎ 防臭袋で密閉

マンションは下水逆流の危険もある。


■ 8. ガス漏れの有無を確認(異臭は即避難)

停電・断水・通信障害の複合時は“火災が最悪ケース”。

◎ 臭い

◎ 音

◎ メーター確認

少しでも異常があれば避難して119番。


■ 9. 家族全員で“避難方針”を30分以内に共有

通信障害が続くと連絡が取れません。

◎ 避難先

◎ 集合場所

◎ 持ち物

◎ 行動順序

最初の共有が命を救います。


■ 10. まとめ

✔ 安全確保(明かり・家族集結)

✔ ブレーカーを落とす

✔ 水を早めに確保

✔ スマホ節電+ラジオで情報収集

✔ 冷蔵庫は開けない

✔ トイレは携帯トイレ

✔ ガス漏れは即避難

✔ 家族で避難方針を共有

複合災害は“初動対応がすべて”。
1つ1つ確実に行動することで、生活の維持と命を守れます。

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