大規模災害が発生し、被災地の消防力だけでは対処できない場合に、
全国から部隊を集結させて支援する国の消防応援制度。
根拠：消防組織法第44条の2
🔥【1】緊援隊の基本部隊構成
緊急消防援助隊は以下の7系統で構成される。
■① 消火部隊
・ポンプ隊
・タンク隊
・化学車隊
👉 建物火災・延焼阻止・野火対応
■② 救助部隊
・救助工作車隊
・特別救助隊（高度救助）
👉 倒壊建物・車両事故・挟圧・水害救助など
■③ 救急部隊
・救急隊
・特別高度救急隊
👉 傷病者搬送・トリアージ・広域搬送支援
■④ 後方支援部隊（ロジスティクス）
・資機材搬送隊
・補給支援隊
・燃料支援隊
・整備支援隊
👉 長期活動の生命線
■⑤ 指揮支援部隊
・通信支援隊
・情報収集部隊（ドローン含む）
👉 現地災害対策本部との連携・指揮統制
■⑥ 航空部隊
・消防防災ヘリ隊
👉 上空偵察・救助・物資搬送
■⑦ 特殊部隊
・CBRN（化学・生物・放射線）対応部隊
・水難救助隊
・即応予備隊
👉 特殊災害対応
🔥【2】出動計画の基本フロー
以下は 全国共通の出動体系 に沿った流れ。
■① 都道府県大隊の出動準備
県内消防本部から編成された 都道府県大隊 が基本単位。
例：
・第1大隊＝消火＋救助
・第2大隊＝救急＋後方支援
・第3大隊＝広域支援（後方支援重視）
👉 福岡県の場合も「県大隊」として統合し、派遣する。
■② 国（消防庁）からの出動要請
被災県 → 消防庁 → 全国へ出動指示
※要請前の“事前待機命令”が出ることも多い。
■③ 現地到着後の指揮体系
現地では「EOC（現地災害対策本部）」の配下に入り、
● 統合機動部隊本部（HO）
● 統合機動支援隊（LSU）
などの配下で活動する。
👉 指揮命令系統は絶対。
🔥【3】部隊の出動計画（モデルケース）
あなたの資料や講義で使えます。
■【モデル1】地震（都市直下型）
▼ 優先派遣
① 指揮支援部隊（情報・通信）
② 救助部隊（倒壊建物対応）
③ 救急部隊
④ 消火部隊
⑤ 後方支援部隊（物資・燃料）
▼ 活動重点
・生存者救出
・建物倒壊
・火災延焼防止
・医療搬送
・インフラ被害情報収集
▼ 派遣タイムライン
・6時間以内に先遣隊
・12〜24時間後に主力部隊
・48時間以内に後方支援隊を集中展開
■【モデル2】大規模水害（線状降水帯）
▼ 優先派遣
① 水難救助隊
② 消防艇部隊
③ ドローン情報収集隊
④ 救急部隊
⑤ 後方支援部隊
▼ 活動重点
・孤立集落の救出
・水没地域からの救助
・土砂災害ポイントの偵察
・広域搬送
■【モデル3】大規模火災（延焼拡大）
▼ 優先派遣
① 消火部隊（大量放水）
② 指揮支援隊
③ 後方支援隊
▼ 活動重点
・延焼阻止線の構築
・消防水利不足の補完
・住民避難支援
🔥【4】出動に必要な後方支援（ロジ）
緊援隊成功のカギは ロジ（補給）。
● 燃料
● 食料
● 水
● 資機材
● 発動発電機
● テント
● 衛生用品
● 通信手段
これらが揃わないと部隊は活動できない。
👉 特に 燃料補給隊は生命線。
コメント