近年急速に広がっているのが
VR(Virtual Reality=仮想現実)を活用した防災訓練 です。
地震・火災・津波・豪雨などを、
まるで本当にそこにいるかのような臨場感で体験できるため、
従来の訓練とは比べ物にならないほど“意識が変わる”と注目されています。
ここでは、防災士の視点で
「VR 防災」の効果や活用例をわかりやすくまとめます。
■ ① VRとは?なぜ防災に向いているのか?
VRとは、専用ゴーグルを装着し、
現実そっくりの災害状況を体験できる技術 のこと。
防災との相性が抜群な理由は、
● 現実では絶対に再現できない危険な状況
● 安全な環境で繰り返し体験できる
● “自分事化”しやすい臨場感
● 子ども〜高齢者まで誰でも使える
こうした特徴が防災教育に非常に向いているためです。
■ ② VRが活躍する防災訓練のジャンル
● ① 地震体験(揺れ・家具転倒)
震度6〜7の揺れ、家具が倒れる様子、避難行動を
リアルに体験できます。
● 机の下に隠れるタイミング
● 家具固定の重要性
● 揺れの中での行動の難しさ
「こんなに動けないのか!」と驚く人も多い訓練です。
● ② 火災体験(煙充満・視界ゼロ)
VRの火災体験は非常に効果的。
● 視界が奪われる
● 熱・煙の怖さ
● 姿勢を低くする必要性
● 非常口の位置確認の難しさ
“火災は煙で逃げられなくなる”ことが体感できます。
● ③ 津波避難体験
海辺の街が津波に襲われる様子をVRで再現。
● 水が押し寄せるスピード
● 避難のタイムリミット
● 高い場所への避難の重要性
津波の恐ろしさが視覚で理解できます。
● ④ 豪雨・土砂災害の体験
● 川の水位が迫る
● 土砂が迫るリアルな映像
● 夜間豪雨での行動判断
危険区域の“見えないリスク”がわかりやすい。
● ⑤ 避難所運営シミュレーション
● 混雑する受付
● 物資の不足
● プライバシー問題
● 感染症対策
行政職員・地域リーダー向けにも使われています。
■ ③ VRの効果は“意識の変化”が最大のポイント
研究でも、VRの臨場感は
実際に災害に遭った人に近い行動変容 を起こすと言われています。
● 家具固定を始める
● ハザードマップを見る
● 避難ルートを本気で検討する
● 防災グッズを揃える
一度VRを体験するだけで“本気の備え”に変わる人が多いのです。
■ ④ 学校・企業・自治体での導入が急増中
● 小中学校の防災教育
● 高校の総合的な探究時間
● 企業のBCP訓練
● 自治体の総合防災訓練
● 消防職員の初任教育
海外でも同様の流れが進み、“次世代の防災教育”として注目されています。
■ ⑤ VR防災の課題と今後の可能性
● 導入コスト(ゴーグル・ソフト)
● 通信環境の確保
● 酔いの問題
● 体験者が限られる
しかし、技術の進化により
「家庭でVR防災」も現実的になりつつあります。
未来は…
● 自宅でVR避難訓練
● VRで地域の洪水シミュレーション
● メタバース上の防災教育
● VR防災ゲームで子どもの防災力アップ
こうした世界がすぐそこまで来ています。
■ まとめ
VRは、防災教育の“革命”と言える技術です。
- 危険な状況を安全に再現
- 地震・津波・火災・豪雨を臨場感たっぷりに体験
- 行動変容につながる“自分事化”が起こる
- 学校・企業・自治体で導入拡大
- 未来は家庭でもVR防災が当たり前に
VRは、防災の学びを「リアル化」し、
避難行動を早める力を持つ
これからの時代の新しい防災ツールです。

コメント