【防災士が解説】タクシー × 防災── 災害時に“最後まで動く移動手段”として重要になる理由

普段の足として便利な タクシー
実は、災害時にも非常に頼れる存在であり、
自治体・医療機関・地域住民を支える“防災インフラ”のひとつです。

ここでは、防災士の視点で
タクシーがなぜ災害時に役立つのか、
どんな役割を果たすのかをわかりやすく解説します。


■ ① タクシーが“災害に強い”と言われる理由

● ① プロドライバーによる地理・道路把握が強い

タクシー運転手は地域全体の道路を熟知しています。

● 渋滞回避ルート
● 近道・裏道
● 河川の状況
● 工事・通行止め情報

これが災害時、命を運ぶ力 になります。


● ② 無線・GPSで情報入手が早い

タクシー会社は無線システムを持っており、

● 渋滞
● 事故
● 通行止め
● 災害情報

をリアルタイム共有できます。

災害時でも“動ける道”をいち早く把握できます。


● ③ 車両数・ドライバー数が多い

地域に数十台〜数百台の車両があるため、
“広い範囲で移動を支える力”を持っています。


● ④ 高齢者・障がい者の搬送に強い

日常的に以下を行っているため、災害時にも活きます。

● 高齢者送迎
● 介護タクシー
● 車いす対応車両

避難支援において非常に重要な機能です。


■ ② 災害時にタクシーが果たす役割

● ① 高齢者・障がい者の避難支援

災害時は自力で逃げられない方も多く、
タクシーの存在は非常に大きいです。

● 特殊車両で避難
● 自宅→避難所の緊急搬送
● 夜間の避難支援

地域で“命を運ぶ役割”を担います。


● ② 医療機関への搬送

救急車の出動が殺到すると、
軽症者・通院者の移動が困難になります。

タクシーは…

● 透析患者
● 妊婦
● 持病通院
● 緊急の薬受け取り

などで大活躍します。


● ③ 情報伝達・見回り

タクシーは常に地域を移動しています。

そのため、

● 倒壊家屋
● 浸水箇所
● 土砂崩れ
● 火災
● 交通障害

などの“現場情報”を行政や警察が得るきっかけになることも多いです。


● ④ 帰宅困難者の移動支援

地震で鉄道・バスが停止すると、
タクシーは重要な避難移動手段になります。

● 夜間の帰宅支援
● 駅からの移動
● 避難所までの移動

安全確保に欠かせません。


■ ③ コロナ禍で強化されたタクシーの防災力

● 仕切り板
● 定期消毒
● 非接触決済
● 除菌設備
● 介護タクシーの増加

これらの「安全対策」の経験が、
災害時の衛生管理にも役立つようになりました。


■ ④ 平常時から“防災につながる”タクシー活用

● 夜間の安全な移動
● 体調不良時の病院移動
● 飲酒時の安全確保
● 旅行・帰省での足
● 高齢者の生活支援

普段から地域の生活を支える存在は、
災害時にも強い力を発揮します。


■ ⑤ タクシー × 防災の未来

自治体との連携により、

● 災害協力タクシー制度
● 高齢者避難のマニュアル化
● タクシーを使った避難計画
● 災害時の輸送協定
● 医療搬送の契約
● 電動タクシー導入と非常電源化(災害電源)

などが進むと、地域の防災力は大きく向上します。


■ ⑥ 注意点

災害時はすべてのタクシーが動けるわけではありません。

● 道路の寸断
● 浸水
● 倒木
● ガソリン供給不足
● 車両の集中

こうした理由で利用できない場合もあります。


■ まとめ

タクシーは、防災の“隠れた重要インフラ”です。

  1. 地域の道に詳しく渋滞回避が得意
  2. 高齢者・障害者の避難支援に強い
  3. 医療搬送や情報伝達でも活躍
  4. 帰宅困難者の移動に欠かせない
  5. 平常時から生活を支える安心インフラ

日常の足であるタクシーは、
災害時には“命を運ぶ大切なパートナー”となります。

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