【防災士が解説】救急でのマイナンバーカード利用── 救命率を高める“医療情報のキーカード”

救急現場では、
「患者さんの情報がわからない」ことが最大のリスク になります。

・名前がわからない
・持病を伝えられない
・服薬内容が不明
・アレルギーがわからない
・保険証が見つからない

こうした状況は、救命処置の遅れにつながります。

そこで役立つのが マイナンバーカード(マイナ保険証)
実は救急医療と非常に相性が良く、
あなたの命を守る強力なツールになります。


■ ① 救急でのマイナンバーカード利用とは?

救急車や病院でマイナンバーカード(マイナ保険証)を読み取ると、
次の点が医師・救急隊に共有できます。

● ① 保険資格情報(保険証としての機能)

→ 保険証がなくても受診できる
→ 旅行中・災害時でも問題なし


● ② 過去の薬剤情報(処方薬)

→ 今飲んでいる薬がすぐ分かる
→ 重複処方・薬の飲み合わせ事故を防ぐ


● ③ 特定検診情報(血糖・血圧・脂質など)

→ 既往症の判断が早くなる


● ④ 高額医療費の限度額判定

→ 事前申請なしで自動判定される(被災時に特に有効)


■ ② これが救急で“どれだけ重要か”


★① 意識のない患者でも情報がわかる

交通事故・脳卒中・心筋梗塞・糖尿病低血糖など、
しゃべれない状態でも医療情報が取得できる

これは救命率に大きく影響します。


★② 持病・服薬が即わかる

例:
● 心臓病の薬
● 血液をサラサラにする薬
● てんかん薬
● 糖尿病薬
● 抗がん剤

薬によっては、
処置内容や点滴の種類が変わります。

マイナンバーカードがあるだけで
治療方針を数分早く決められる ことが多い。


★③ アレルギー情報が救命につながる

薬剤アレルギーは命に関わるため、
一番初めに確認する情報。
カードがあるとすぐにチェックできる。


★④ 家族がいない場面で特に強い

スポーツ中・外出先・仕事中の事故など
本人以外に情報を持つ人がいない場面でメリットが大きい。


■ ③ 救急車内での利用(実際の流れ)

救急隊は、
搬送先の病院とICT連携しながら対応します。

  1. 患者がマイナンバーカードを所持
  2. 病院到着後にカードを読み取り
  3. 医療情報(薬・検診)が確認される
  4. 医師が治療方針を即決
  5. 処置・検査に無駄がなくなる

カード自体は救急車で読み取らず、
主に 病院の受付・救急外来で使用します。


■ ④ 災害時はさらに効果が大きい

大規模災害では…

● 保険証紛失
● 家族と離れ離れ
● 医療カルテが水没
● 混乱で本人確認が困難

という状況が起こります。

でも、
マイナンバーカードひとつで身分証と医療情報を確認できるため、 避難所や臨時の医療所での治療がスムーズ。

医師・看護師が非常に助かるツールになります。


■ ⑤ よくある質問(不安への回答)


● Q. 救急隊はマイナンバーを読み取る?

→ いいえ。
救急車内で番号を読み取ることはありません。
病院到着後に“保険証として”使用します。


● Q. 情報が全部カードに入ってる?

→ 違います。
カードは“鍵”であり、
医療情報は安全なサーバーに置かれています。


● Q. 持っていなかったら?

→ 従来通り治療できますが、
情報がないため判断が少し遅れる可能性あり。


■ ⑥ 救急で役立てるために準備すべきこと

● 財布ではなく、取り出しやすい場所に入れる
● 家族にも場所を共有
● スマホに「緊急連絡カード」と併用
● 子どもや高齢者にも作っておくと安心
● 避難バッグにもコピーを入れておく


■ まとめ

救急でのマイナンバーカード利用は、
患者の“医療情報”を数秒で確認できる最強のツール

  1. 服薬・持病・アレルギーがすぐわかる
  2. 意識がなくても治療方針が決められる
  3. 高額医療費の判定も自動
  4. 災害時は特に強力
  5. 救命のスピードが大きく向上

日常だけでなく、災害・事故・救急すべてで
「持っていてよかった」と感じるカードです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました