タバコやお酒は、
日常では「嗜好品」「ストレス発散」という面がある一方で、
災害時には意外なリスクやトラブルにつながることがあります。
防災の視点から
“タバコ・お酒が非常時にどう影響するのか”
を分かりやすくまとめます。
■ ① タバコと防災
★① 火災リスクが高い
タバコの火は約700〜900℃。
寝タバコ・吸殻不始末は火災原因のトップクラスです。
● ふとん
● ソファ
● ごみ箱
いずれも“じわじわ燃えて急に炎上”するタイプの火災が多く、
逃げ遅れにつながります。
★② 災害時の“電源なし”“禁煙環境”でストレス増
避難所や車中泊では、
● 喫煙所がない
● ライターの持ち込みが禁止
● 電気が止まり加熱式タバコが使えない
など、タバコが吸えない環境が一般的。
禁煙症状で…
・落ち着かない
・集中できない
・イライラ
・睡眠不足
が発生し、判断力低下やトラブルにつながることがあります。
★③ 吸殻の管理が難しい
避難所での吸殻トラブルやポイ捨てが
周囲との人間関係悪化につながるケースも。
★④ 加熱式タバコの“充電切れ問題”
非常時はスマホ優先になるため、
アイコスなどは充電が後回しになりやすい。
■ ② お酒(アルコール)と防災
★① 災害時の“酔った状態”は危険
地震・火災・津波の避難行動には、
冷静さと判断力が必要。
飲酒中に災害が起きると…
● 判断が遅れる
● ふらついて転倒
● 正しい行動ができない
● 避難が遅れて命に関わる
特に夜間の地震で問題になりやすい。
★② 避難所での飲酒トラブル
避難所では…
● 飲酒禁止
● 暴言・喧嘩
● 大声・迷惑行為
● 子どもや高齢者への配慮不足
お酒が原因で集団生活が崩れることがあります。
★③ アルコール依存の“離脱症状”
飲めなくなることで
● イライラ
● 不眠
● 震え
● 落ち着かない
が起き、ストレスが爆発することも。
避難所では医療サポートが限られるため対応が難しい。
★④ 水分不足と脱水
アルコールは利尿作用が強いため、
災害時の脱水リスクが高まります。
水が貴重な場面では特に注意。
■ ③ タバコ・お酒に共通する“非常時の課題”
● 入手できない
● 吸えない・飲めない
● 充電できない(加熱式)
● ストレスが増大
● トラブルの火種になる
● 判断力・行動力の低下
● 健康状態の悪化
● 周囲との摩擦
「非常時に続けられない習慣」という点が
リスクにつながる部分。
■ ④ 防災としての“日頃からできる対策”
● ① 少しずつ“量を減らす”
急なストップは災害時に負担が大きい。
● ② タバコは避難バッグに“ニコチンガム”
禁煙症状を緩和し、周囲への迷惑も防げる。
● ③ お酒は“飲みすぎない”週間を
夜の災害への備えとして非常に効果的。
● ④ 避難所ルールを家族で共有
飲酒・喫煙は禁止が基本。
● ⑤ スマホ充電を常に80〜100%で維持
加熱式タバコの電池切れ対策にも。
■ ⑤ 災害時に大切なのは“心身のセルフコントロール”
タバコやお酒は、
日常ではストレス解消の手段ですが
災害時には逆に“ストレスの原因”になることも。
避難生活では、
心の安定・周囲との協調・健康管理 が最重要。
そのためにも、
「平時から少しずつ整える」という習慣が
防災力の向上につながります。
■ まとめ
タバコ・お酒は、
日常の嗜好品であると同時に非常時にはリスク要因にもなる。
- タバコ → 火災・禁煙ストレス・充電問題
- お酒 → 判断力低下・避難遅れ・トラブル増
- 共通 → 非常時は入手困難・ストレスの原因
- 対策 → 量を減らす、代替品の準備、避難所ルール理解
防災士として言えるのは、
平時の生活習慣が、災害時の行動力と安全性を決定する ということ。
あなた自身と家族の安全のためにも、
タバコ・お酒との上手な付き合い方を見直してみましょう。

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