【防災士が解説】救急救命士が救急現場でできること── “医療行為の範囲”をわかりやすくまとめた決定版

救急救命士は、
救急現場で「医師以外で最も高度な処置ができる」国家資格。

一般の救急隊員(救急隊員資格のみ)と比べて、
できる処置の範囲が大きく違います。

ここでは、
“救急救命士が現場で実際にできること”を
わかりやすく整理して紹介します。


■ 救急救命士ができること(特定行為)

救急救命士最大の特徴は、
医師の指示のもと、以下の高度処置ができること。


■ ① 気管挿管(高度気道確保)

心肺停止など生命の危機では
空気の通り道(気道)が塞がれることがある。

そこで救急救命士は
● チューブを気管に挿入
● 呼吸を確保
● 酸素投与を安定化
これができる。

これは“命をつなぐ最重要技術”。


■ ② 点滴路(静脈路)確保

腕の静脈に針を入れ、
● 薬剤投与
● 循環管理
が必要なときに必須の処置。

ショックや重症外傷には欠かせない。


■ ③ 心臓への薬剤投与

医師の指示を受けて
● 心停止時のアドレナリン
● 不整脈の薬
などを投与できる。

一般の救急隊員にはできない高度医療。


■ ④ 低血糖へのブドウ糖投与

意識障害の中でも多い“低血糖”。

ブドウ糖投与で
● 意識回復
● けいれん防止
● 後遺症予防
が期待できる。

救急救命士だけが対応できる重要処置。


■ ⑤ 自動式輸液ポンプの使用

搬送中に
● 点滴速度
● 薬剤投与量
を安全に管理する医療機器。

救急救命士は、これを操ることができる。


■ ⑥ 12誘導心電図の解析・病院連携

救急救命士は
● 心筋梗塞
● 重症不整脈
などを現場で早期判断し、
病院へ“直行ルート”を選択できる。

救命率が大きく変わる。


■ 救急救命士が一般の救急隊員と同じく行う処置

救急救命士は高度処置のほか、
一般の救急隊員と同じ処置ももちろん対応。


■ ● AED

■ ● 人工呼吸

■ ● 胸骨圧迫

■ ● 酸素投与

■ ● バイタル測定

■ ● 止血

■ ● 固定(頸椎カラー、シーネ)

■ ● 搬送

■ ● ストレッチャー操作

“救急の基礎”は全て網羅する。


■ 救急救命士ができないこと

救急救命士は医師ではない。
そのため、以下のような医療行為はできない。

● 薬の選択(投与の決定は医師)
● 手術
● 骨折整復
● 縫合
● 高度な医療診断

あくまで 応急・救命のプロフェッショナル


■ 救急救命士の現場は「判断」がすべて

行為ができるだけでなく、
“やるべきか・やらないべきか”の判断 が難しい。

救急現場は時間との勝負で、
● 1分で状況が変わる
● 容態が急変する
● その場で判断が求められる

救急救命士には
医学・経験・冷静さ
すべてが必要。


■ まとめ

救急救命士が現場でできることは以下。

  1. 気管挿管(高度気道確保)
  2. 点滴・薬剤投与
  3. 低血糖へのブドウ糖投与
  4. 自動輸液ポンプの操作
  5. 12誘導心電図の解析
  6. 一般的な応急処置・搬送すべて

救急救命士は、
“医師が来るまでの時間を埋める最強の救命要員”。

その1処置で、
助かる命が確実に増える。

救急現場の要であり、
消防の中でも特に尊い存在です。

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