避難所は「安全な場所」ではありますが、
そこでの生活は決して快適ではありません。
元消防職員・防災士として被災地で活動してきた中で、
避難者・支援者の両方が直面した
“避難所の困りごと”10選 をまとめました。
■ ① プライバシーが全くない
体育館・集会所では仕切りがないため、
・会話
・声
・気配
が常に筒抜け。
ストレスが大きく、特に家族連れ・女性は精神的負担が強い。
■ ② 夜がうるさくて眠れない
避難所では、
・いびき
・咳
・子どもの声
・出入りの音
が一晩中続きます。
睡眠不足の人は本当に多い。
耳栓は必携レベル。
■ ③ 床が硬くて痛い(特に体育館)
薄い毛布1枚では全く耐えられない。
腰や背中を痛める人が続出。
銀マット・エアマットがあるだけで天と地ほど違う。
■ ④ トイレが並ぶ・汚れる・臭い
地震直後は下水が使えないことも多く、
仮設トイレは長蛇の列。
衛生状態も悪化しやすく、
高齢者や女性の負担が大きい。
■ ⑤ 寒い・暑いの気温対策が難しい
体育館は外気に影響されやすく、
・冬は極寒
・夏は蒸し暑い
という過酷な環境。
能登半島地震では、
夜間の寒さで眠れない避難者が多数いたのが印象的。
■ ⑥ 物資が偏る・足りない
避難者の人数に対して物資が追いつかない。
支援物資が届いても「サイズが合わない」「食べられない」などの問題も多い。
特に不足しやすいのは、
・離乳食
・女性用品
・乳幼児用品
・高齢者の介護用品
■ ⑦ 食事が単調で栄養不足になる
おにぎり・パン・カップ麺が続き、
野菜不足・たんぱく不足に。
持病のある人は特に健康リスクが高まる。
■ ⑧ 感染症リスクが高い
・インフル
・ノロ
・風邪
・熱中症
などが避難所では非常に広がりやすい。
衛生対策が不十分で、
体調を崩す人が目立つ。
■ ⑨ 子どもがストレスで落ち着かない
遊び場がなく、走り回れないため、
避難所生活は子どもにとって大きなストレス。
泣き声が響き、親も精神的に追い詰められる。
■ ⑩ 情報が不足し、先が見えない不安
電気・通信が不安定で、
・行政情報
・避難所のルール
・支援物資の予定
などが分からない状態が続く。
「いつ帰れるのか」
「家はどうなっているのか」
という不安が強く、精神の負担が極めて大きい。
■ 避難所生活で分かったこと:準備と理解が“心の支え”になる
避難所は命を守る場でありながら、
生活は非常に不便でストレスが大きい。
派遣経験から感じたのは、
・事前準備
・周囲の配慮
・情報共有
この3つが避難生活の質を大きく左右するということ。
そして、避難者同士が声を掛け合い、
支え合うことで環境は大きく改善される。
■ まとめ:避難所生活は“想像以上に過酷”だからこそ備える
避難所の困りごとは、
どの災害でも共通しています。
しかし、
● 着替え
● マット
● 衛生用品
● 食料
● 情報手段
を家庭で準備しておくことで、
避難生活は大きく改善できます。
“避難所に行ったら安心”ではなく、
「避難生活の苦労も知って備えること」
が本当の防災になります。

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