冬になると「乾燥注意報」が続きます。
しかし、乾燥はただの季節現象ではなく、
火災・健康・インフラに深刻な影響を与える“災害リスク”です。
ここでは、冬の乾燥が引き起こす危険と、
家庭でできる具体的な対策をわかりやすく解説します。
■ 1. 冬の乾燥が危険な理由
●(1)火災が一気に増える
湿度が30%を下回ると、
布・紙・埃が非常に燃えやすい状態になります。
ストーブ・コンロ・タバコの火が大きな火災に発展しやすく、
出火件数は夏の数倍に。
●(2)ウイルスが生存しやすくなる
湿度40%以下ではウイルスが空気中を漂いやすく、
インフルエンザやノロなどが急増します。
●(3)肌や喉のバリア機能が低下
乾燥により粘膜がダメージを受け、
感染症にかかりやすくなります。
●(4)静電気による“火花着火”
ガソリンスタンドや工場で起きる火災原因のひとつ。
家庭でもストーブ付近では危険。
■ 2. 冬の乾燥で起こりやすい家庭内トラブル
●(1)暖房器具まわりの出火
・電気ストーブ
・こたつ
・ファンヒーター
近くに洗濯物・ティッシュ・布があると危険。
●(2)布団・衣類の引火
寝具の近くに暖房を置くのは最も危険な行為。
●(3)加湿不足で体調不良
喉・鼻の乾燥 → 頭痛や睡眠障害にもつながります。
●(4)乾燥肌の悪化
冬の救急外来では“乾燥によるかゆみ・湿疹”も増加。
■ 3. 冬の乾燥を防ぐ“家庭でできる対策”
●(1)室内湿度の目安は40〜60%
これが火災・ウイルス予防に最適なライン。
●(2)加湿器を活用する
・超音波式
・スチーム式(最も衛生的)
・ハイブリッド式
どれでもOK。
水の交換と掃除が最大のポイント。
●(3)洗濯物の室内干し
加湿+節電になる万能テクニック。
●(4)湯気を利用
お風呂のドアを開けて加湿するだけで湿度アップ。
●(5)ストーブや火の回りに“燃えるものを置かない”
火災原因の9割は“置いた覚えのない物”が原因。
●(6)換気も忘れずに
乾燥と寒さを理由に換気を止めると、
CO₂が上がり頭痛や集中力低下を招く。
■ 4. 冬の乾燥は“火災発生率を数倍にする”災害
乾燥は、地震や台風のように“派手な災害”ではありません。
しかし、火災・病気・健康被害をまとめて引き起こす
非常に危険な季節要因です。
■ 5. 今日からできる簡単な備え
- 加湿器の水を毎日替える
- 洗濯物を一部室内干しにする
- ストーブの周囲1mは“何も置かない”
- 火災警報器の点検をする
- 加湿+暖房で湿度40〜60%をキープ
乾燥は「予報を見て意識するだけ」で対策できます。
今年の冬は、“火災ゼロ・健康被害ゼロ”を目指していきましょう。

コメント