冬から春にかけて、全国で増えるのが「林野火災」。
自然に燃え上がる火はありません。
原因の多くは、**“乾燥した草木” × “人の火の取り扱い”**です。
防災士として、林野火災が増える仕組みと、命と地域を守るための行動を分かりやすく解説します。
✅なぜ乾燥すると林野火災が発生しやすいのか?
✅① 草・落ち葉・枝が【燃えるための条件】になる
空気が湿っている時、草や木は水分を含み、火がつきにくい状態です。
しかし、乾燥が続くと水分が失われ、火花や小さな熱源でも着火します。
特に、
- 枯れ草
- 竹林
- ススキ
- 放置された雑草
は瞬間的に燃え拡大します。
✅② 延焼スピードが極端に速くなる
乾燥した落ち葉は「表面積が大きい」「薄い」「風で動く」ため、
わずか数分で広範囲へ拡大します。
火勢が強くなると、
- 上昇気流が発生
- 火の粉が上空へ
- 離れた場所へ落下
→ “飛び火”が起き、消火が困難に。
一度燃え始めると、消防車が近づけない山中や斜面にまで火が広がり、鎮火まで長時間かかることもあります。
✅③ 風が加わると“災害級”
乾燥と風は、林野火災の最悪の組み合わせ。
✅ 火の粉が遠くまで飛ぶ
✅ 炎が地面を這うように広がる
✅ 避難経路が炎に塞がれる
実際、全国の大規模林野火災は、
「乾燥注意報・強風注意報」の日と重なることが多いのが特徴です。
✅林野火災の原因 〜ほとんどが“人の火”〜
消防庁発表の統計でも、林野火災の多くは、次の原因です。
- 焚き火の放置
- 野焼きの失敗
- バーベキューの炭の消火不足
- たばこの投げ捨て
- 子どもの火遊び
つまり、人が注意すれば防げる火災です。
✅乾燥した日は、これだけは絶対にやらない
✅ 風の強い日の火入れ
✅ 落ち葉の焼却
✅ たき火の無監視
✅ ポイ捨て
✅ 炭を「灰になったから大丈夫」で放置
乾燥注意報が出ている日は、火を使わない判断が命を守ります。
✅家庭でできる予防行動(かんたんで効果大)
- 火を使うときは消火水(バケツ・ホース)を準備
- 火が完全に冷えるまで絶対に離れない
- たばこの吸い殻は“水につけて”消す
- 子どもに火遊びの危険性を教える
- 「少しの風だから大丈夫」を絶対にやめる
高齢者の多い地域や、山林に囲まれた住宅地は特に注意が必要です。
✅まとめ:乾燥している季節の“油断”が大火災を呼ぶ
- 乾燥で草木が燃えやすくなる
- 風で一気に広がり、飛び火も起こる
- 多くは人の行動が原因
- 火を使わない、完全消火する。それだけで地域が守られる
林野火災は、住宅火災と同じく「命・財産・自然」を奪います。
乾燥する季節こそ、火の取り扱いには最大限の注意を払いましょう。

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