◆はじめに
大地震が発生した瞬間、人の行動は大きく2つに分かれます。
「助かる行動ができた人」と「被害に巻き込まれてしまう人」。
この差は“最初の10分”の初動対応で決まります。
元消防職員・防災士の経験から、命を守るために必ず押さえてほしい
5つの行動をまとめました。
① 揺れた瞬間:まずは自分の頭を守る
地震は“揺れが始まる前に防ぐ”ことはできません。
だからこそ、最初の1〜2秒で 「頭を守る姿勢」 が生死を分けます。
やるべき行動
- 机の下に入って頭を守る
- 机が近くにない場合は、クッション・バッグで頭部を保護
- 揺れが収まるまで動かない
NG行動
- 外へ走って逃げる
- 階段やエレベーターで移動する
② 揺れがおさまったら:出口を確保
建物のゆがみで“ドアが開かなくなる”のが大地震の特徴です。
やるべき行動
- ドア・窓をすぐ開けて避難路を確保
- 火災リスクを避けるため、ガス・熱源をOFF
ポイント
出口確保は「すぐに避難するかどうか」と関係なく、
閉じ込めを防ぐための行動です。
③ 家族・身近な人の安全確認
大声で呼ぶより、短く・はっきりした声が届きやすい。
声かけ例
- 「大丈夫か?」
- 「けがはない?」
- 「外に出られる?」
安否確認は10秒でもOK。
ケガ人がいれば応急手当や救急通報につなげます。
④ 建物内の危険をチェック(1分以内)
がれき・落下物は余震でさらに倒れます。
チェック項目
- 天井の破損
- 食器棚・冷蔵庫の転倒
- ガラス破片の散乱
- ガスのニオイ
危険箇所があれば、すぐその場から離れること。
⑤ 避難の判断:外へ出るか、そのまま在宅か
地震は「逃げる=正解」ではありません。
状況によっては 家にいた方が安全 な場合もあります。
避難すべき状況
- 建物に大きな損傷がある
- がれきで室内が危険
- 火災が発生している
- 津波警報が出ている(海・川・湾近くは即避難)
在宅避難が適切な状況
- 家の損傷が軽い
- 周囲が危険で外に出る方がリスク
- 家に水・食料・トイレが確保できる
◆まとめ
最初の10分は「感情」ではなく「行動」が命を守ります。
5つの鉄則
- 頭を守る
- 出口を確保
- 安否確認
- 危険チェック
- 避難判断
この流れを家族全員で共有しておけば、
災害時の行動が“迷いのないもの”になります。

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