【海外の“高齢者避難”はここまで進んでいる|日本が学べるポイントまとめ】

災害時に最も犠牲になりやすいのが「高齢者」。
日本でも課題が多い分野ですが、海外では高齢者支援がさらに進んでいます。
ここでは、海外の先進事例をまとめ、日本との違いをわかりやすく整理します。


■ 1. アメリカ|高齢者の“名簿登録制”が非常に強い

アメリカでは
「要支援者名簿」への事前登録が一般化

  • 介護施設・医療機関・家族がオンライン登録
  • 電力会社とも連携(人工呼吸器利用者の保護)
  • 避難時は消防・保健局が個別訪問して救出

日本にも名簿制度はあるが、
自治体によって未整備・活用不足が目立つ。


■ 2. 台湾|行政が高齢者宅を“直接訪問”して避難確認

台湾は 訪問型の避難支援 を徹底。

  • 役所・消防・警察・自治会が合同で訪問
  • 高齢者の薬や医療機器の確認
  • 避難後のフォローも継続
  • ひとり暮らし高齢者には見守り班が常設

日本でも訪問はあるが、
人手不足の自治体では実施が困難。


■ 3. 韓国|避難所で“高齢者専用区画”が標準化

韓国の避難所は
高齢者エリアの確保が義務化レベル

  • ベッド・マット・手すりを優先配置
  • 長期避難を想定した医療スタッフ常駐
  • 専門のケアワーカーを配置

日本では避難所ごとの差が大きく、
バリアフリー化が追いついていない地域も多い。


■ 4. スウェーデン|介護施設ごと“丸ごと避難”が原則

スウェーデンは
施設単位での避難 が基本。

  • 介護施設がそのまま避難所に移動
  • 職員・医療チーム・福祉器具も同時移動
  • 高齢者が「いつもの環境」を維持できる
  • 精神的ストレスが少ない

日本は施設ごとの一括避難が難しく、
バラバラに避難するケースが多い。


■ 5. ニュージーランド|高齢者向け地域コミュニティが機能

NZの地域支援はとても強い。

  • 高齢者クラブ・教会・町会が避難支援
  • 日常的に交流があるので声かけが自然
  • 災害弱者のチェックリストが全国で統一

日本も地域コミュニティはあるが、
行事・防災訓練への参加率が減少傾向で
支援ネットワークが弱まりやすい。


■ 6. ドイツ|早期の“福祉避難システム”が整っている

ドイツは
障害者・高齢者向け避難所が早期に開設

  • 通常避難所と完全分離
  • 医療スタッフ・ケアワーカーが常駐
  • 生活介助(排泄・入浴)が標準サービス

日本にも福祉避難所はあるが、
“発災後に開設判断”が多く、受け入れまで時間がかかる。


■ 7. まとめ|日本が学べるポイント

海外の高齢者避難は、日本より「前倒し・個別支援」が徹底している。

● 日本が今後取り入れるべき要素

  • 事前の名簿登録を全国で徹底(アメリカ)
  • 行政による直接訪問の強化(台湾)
  • 高齢者専用区画の標準化(韓国)
  • 施設全体の一括避難モデルの普及(スウェーデン)
  • 地域支援コミュニティの強化(NZ)
  • 福祉避難所の即時開設(ドイツ)

高齢者避難は、
「発災後に考える」のでは遅い 分野。

海外の取り組みを参考にすることで、
日本の高齢者が“確実に助かる仕組み”はもっと強化できる。

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