【防災士が解説】災害時に悪化しやすい「気管支ぜんそく」冬・乾燥・粉じん…発作の原因が一気に増える季節は要注意

災害時は“ぜんそく持ちの方”にとって過酷な環境になりがちです。
特に冬は乾燥・粉じん・ストレス・寒さが重なり、発作リスクが急上昇します。

ここでは、防災目線で「ぜんそくを悪化させないための備え」をまとめます。


■ 災害 × 冬はぜんそく悪化のリスクが最大級

● ① 乾燥で気道が敏感になる

空気が乾くと、気道が刺激に反応しやすくなる。

● ② ホコリや粉じんが多い

地震・倒壊・避難所生活では粉じんが充満しやすい。

● ③ 寒さで気道が収縮

冷たい空気を吸うだけで発作の引き金になることも。

● ④ ストレス・睡眠不足

避難生活の環境が精神ストレスを増やし、発作を招く。


■ 災害前に必ず準備しておくべきもの

● ① 吸入薬(予防薬・発作時薬)

必ず“2週間以上”確保。
避難所では医療がすぐ受けられない場合も多い。

● ② 加湿グッズ

  • 携帯加湿器
  • 濡れタオル
  • マスクの内側に湿らせフィルター

乾燥対策は命を守る行動。

● ③ 防塵マスク(N95でも可)

粉じんが多い災害時は、普通のマスクでは不十分なことも。

● ④ ぜんそく手帳・お薬手帳

救急隊や医療支援の判断がスムーズに。

● ⑤ ブランケット・ネックウォーマー

首元・胸元を冷やさないことは最重要。


■ 避難所でぜんそくを悪化させないための工夫

● ① 粉じんを避けるため「端の席」へ

入口・通路の近くはホコリが舞いやすい。

● ② 乾燥対策を徹底

  • マスク+湿らせフィルター
  • 洗濯物を部屋干し
  • カップに湯気をつくる

簡易でも効果大。

● ③ 寒さ対策を二重に

毛布・ダウン・カイロで胸部を冷やさない。

● ④ ストレス軽減

静かな場所や、自分のスペースを確保。

● ⑤ 発作時の行動を周囲に伝えておく

家族・避難所スタッフへ
「発作が出た時の対処法」を共有。


■ 在宅避難がぜんそく持ちに強く推奨される理由

● 自宅なら…

  • 加湿ができる
  • 空気清浄機が使える
  • 寒さを防げる
  • ホコリが少ない
  • 睡眠環境が整う

ぜんそく持ちの方は
安全が確保できるなら在宅避難が圧倒的に有利


■ 病院に行けない時の応急セルフケア

  • 温かい飲み物をゆっくり飲む
  • 部屋の湿度を40〜60%に保つ
  • 体を冷やさない
  • 喉を守るためマスクは常時着用
  • 夜間は枕を少し高くする
  • 自己判断で薬を減らさない

少しの対策で発作が大幅に減る。


■ まとめ

ぜんそくを持つ人にとって、冬の災害は最大級のリスクです。
しかし事前の準備と知識があれば、命を守ることができます。

  • 吸入薬の確保
  • 加湿と保温
  • 防塵対策
  • 在宅避難のメリット
  • ストレス軽減

これらをセットで備えておけば、
冬の災害でも安心感が大きく変わります。

ぜんそくこそ、日頃の準備が「最大の防災」です。

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