ボランティアは素晴らしい取り組みですが、
正しい知識やマナーを知らずに参加すると、
被災者や現場に迷惑をかけてしまうこともあります。
元消防職員・防災士として、
被災地支援・避難所支援・地域活動で出会った
“ボランティアが気をつけるべきこと”を10個にまとめました。
これだけ知っておけば安心して活動できます。
■ ① 「助ける側」ではなく「寄り添う側」の意識を持つ
ボランティアは“ヒーロー”ではありません。
被災者の心は不安・喪失・緊張でいっぱいです。
大切なのは、
「何かしてあげよう」より「一緒に寄り添う」姿勢。
相手の気持ちを大切に。
■ ② 無理をしない(自分が倒れたら意味がない)
ボランティア自身がケガや熱中症で倒れると、
逆に支援の負担になります。
● こまめな休憩
● 水分補給
● 作業を断る勇気
これが“良いボランティア”の必須条件です。
■ ③ 写真・動画撮影は基本禁止
SNS投稿が原因でトラブルが起きることがあります。
・被災者のプライバシー
・避難所の内部
・損壊した家屋
は絶対に撮らない。
どうしても必要な場合は、
● 自治体の許可
● 本人の同意
が必須。
■ ④ 勝手な行動をしない(必ず指示に従う)
被災地では、自己判断の行動が最も危険。
倒壊家屋・危険区域・崩落地は見る以上に危ない。
ボランティアセンターや担当者の指示が絶対です。
■ ⑤ 服装・装備を軽視しない
「ちょっと作業するだけだから…」
この油断が事故の原因になります。
● 長袖・長ズボン
● 滑りにくい靴
● 手袋
● マスク
● 帽子
装備の質がそのまま安全につながります。
■ ⑥ 被災者の気持ちを“勝手に推測しない”
よくあるNG例はこれです。
×「大変でしたね…」
×「早く元気出してください」
被災者の心情は人それぞれ。
正解の声かけはありませんが、
否定も押しつけもしないことが大切。
●「必要なことがあれば言ってくださいね」
●「ここにいますので、いつでも声かけてください」
この距離感が最適です。
■ ⑦ 自分の食料・水・装備は必ず自分で持つ
ボランティアは被災者の物資を使ってはいけません。
これは全国共通のルール。
● 水
● 食料
● 休憩スペース
● 充電
すべて「自活」が基本です。
■ ⑧ 集団行動・チームワークを乱さない
災害現場は“チームプレー”が命。
一人で行動しないこと、自己判断しないこと。
報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が重要。
■ ⑨ 長時間の作業はしない(疲労は判断力を奪う)
疲れていると、
● 転倒
● 怪我
● 工具事故
などが起こりやすい。
「作業をやめる勇気」も立派な支援。
■ ⑩ ボランティア保険に必ず加入する
ケガ・事故・物損などに備えるため、
加入は必須レベル。
数百円で加入でき、
自治体の災害ボランティアセンターでも手続き可能。
■ まとめ:気をつけるほど“良いボランティア”になれる
ボランティアは、
● 無理をしない
● 相手を尊重する
● 指示に従う
● 自分を守る
この4つだけ守れば誰でも参加できます。
そして、
あなたの小さな一歩が、
被災者の大きな支えになります。
「できる人が、できるときに、できることを。」
これがボランティアの本質です。

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