“言える人だけが生き残る” Firefighter救助要請の鉄則
FFS(Fire Fighter Survival)、RIT(救助隊)と並び
消防現場の安全を守る3本柱のひとつが 「MAYDAY(メイデイ)」 です。
火災現場で消防隊員が危険に陥ったとき、
即座に救助要請を発するための国際基準のコール のこと。
この記事では、
“隊員生存率を大きく左右する” MAYDAY の概念を
防災士×元消防職員の視点で分かりやすく解説します。
■ ① MAYDAY(メイデイ)とは?
火災現場で消防隊員が
迷失・閉じ込め・負傷・空気切れ・方向喪失
など、生命に直結する危険に陥った際に発する
👉 緊急救助要請の無線コール
航空・船舶でも使われる「MAYDAY」を
消防が採用したもの。
■ ② MAYDAYを言う基準(言うべき時を迷わないために)
消防の世界ではこう言われています:
● 「迷ったら言う。危ないと思ったら言う」
MAYDAY をためらうと、
RIT救助も遅れ、生存率が急低下します。
◎ 発するべき状況
・方向を見失った(迷失)
・倒壊物に挟まれた
・ホースが絡まって動けない
・低圧アラームが鳴った
・予備空気が足りない
・熱気が強すぎて進入不能
・負傷して動けない
・隊員が見当たらない
“まだ大丈夫か?” と考えている時間が危ない。
■ ③ MAYDAY の発し方(基本フォーマット)
世界標準のMAYDAYコールは以下です。
【MAYDAY ×3】
「MAYDAY、MAYDAY、MAYDAY」
【Who(誰が)】
「こちら、●●小隊●番隊員」
【Where(どこで)】
「位置は○階△付近」
【What(何が起きたか)】
「天井が落下し、動けません」
「ホースラインを見失いました」
など
【Needs(必要な支援)】
「救助要請」
「RITを至急」
など
★ 例文
「MAYDAY、MAYDAY、MAYDAY
こちら2小隊1番、2階ホール付近、倒壊で閉じ込め、RIT至急」
■ ④ なぜ MAYDAY が“言えない”のか?
多くの事故検証で共通していたのは
● 「危険を感じても MAYDAY を言わなかった」
その理由は…
● 遠慮・迷い
「自分だけ遅れている」
「仲間に迷惑をかける」
「自分で何とかしないと」
● 訓練不足
現場で緊張すると言葉が出ない。
● 概念の未浸透
「どの段階で言うのか分からない」
実は、
MAYDAY を発することこそ“プロの行動”
とされます。
■ ⑤ MAYDAY が早いほど生存率が上がる理由
● ① RIT(救助隊)がすぐ出動できる
RITは“MAYDAYのためだけに待機している部隊”。
● ② 迷失や空気切れに早期対応できる
建物火災は10秒で状況が一変する。
● ③ 指揮本部が状況把握しやすい
正確な場所・状況を知らせるほど救助が早い。
● ④ 仲間が危険区域に無謀に突っ込む事故を防ぐ
十分な準備・安全確保をしてから救助できる。
■ ⑥ FFSとの関係(生存スキルの中心)
FFS=Fire Fighter Survival
(消防隊員が生き残るためのスキル)
その中核は 「MAYDAYをためらわず言うこと」。
◎ FFSで鍛えること
・いつ言うか(判断基準)
・どう言うか(フォーマット)
・なぜ言う必要があるか(生存の理由)
・言えない心理を克服する訓練
■ ⑦ 一般の人にとっての重要ポイント
✔ 消防隊員も危険と隣り合わせ
✔ 現場では「数秒の判断」で命が変わる
✔ MAYDAYは隊員を守るための必須文化
✔ 消防の安全は市民の安心に直結する
■ ⑧ まとめ|MAYDAYは“早いほど生き残る”
覚えておくべきことは3つ。
✔ MAYDAY=消防隊員が危険時に発する救助要請
✔ 発する基準は「危険を感じたら即」
✔ 遅れるほど生存率が低下する

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