【防災士が解説】「消防学校に行く理由」── 採用されたら必ず“初任教育”があるのはなぜ?

消防士の採用試験に合格すると、
まず最初に向かう場所が 「消防学校」

「なぜ学校に行く必要があるの?」
「署にすぐ配属されるわけじゃないの?」

──そんな疑問に、元消防職員・防災士としてわかりやすく答えます。

消防学校は、
“命を守るための基礎を徹底的に身につける場所”
ここで学ぶ半年〜1年間が、消防人生の土台になります。


■ 消防学校とは?

消防士として働くために必要な「初任教育」を受ける研修施設。

● 各都道府県に1校
● 期間は6か月〜1年(自治体による)
● 寮生活で朝から晩まで訓練
● 消防の基礎を“0から”叩き込まれる

消防士は危険な現場に入るため、
未経験者のまま消防署に行くことは絶対にできません。


■ なぜ消防学校に行く必要があるのか?【5つの理由】


① 命に関わる仕事なので“基礎を徹底するため”

ホース、空気呼吸器、ハシゴ、ロープ、救命処置、消火技術。
一つ間違えると事故につながるため、
反復訓練で「体に覚えさせる」必要があります。


② 危険な現場で生き残る力をつけるため

火災・交通事故・水難救助など
危険の種類が多すぎるのが消防の特徴。

● 危険予測
● 観察力
● 判断力
● チーム連携

命を落とさないための知識・技能を全員が身につけます。


③ 規律・礼節・チームワークを学ぶため

消防は 「組織力が命」 の仕事。
班・隊・署がまとまらなければ救助は成功しません。

消防学校では、

● 規律訓練(行進・号令)
● 礼節・挨拶
● 団体行動
● 報告・連絡・相談

を毎日叩き込まれます。
厳しさの理由は「現場で仲間の命を守る」ためです。


④ 救急・救助・法令など“座学”の量がとても多い

消防士は体力だけでは務まりません。

● 応急手当・救命処置
● 救急医学の基礎
● 火災工学
● 防災学
● 消防法
● 建築構造
● 車両・機械操作

“勉強量は大学並み”と言われるほど。
知識ゼロでは現場で判断できません。


⑤ 全国どこでも最低限のレベルに達するため

どの自治体の消防士も、
ある一定のレベル以上の知識・技術が必ず必要。

そのために消防学校で
全国共通のカリキュラムが組まれています。


■ 消防学校での1日の流れ(例)

● 06:00 起床
● 06:30 点呼
● 07:00 朝食
● 08:30 訓練開始(救助・ポンプ・体力)
● 12:00 昼食
● 13:00 座学(救急・法令など)
● 17:00 清掃
● 18:00 夕食
● 19:30 自習(試験対策・ロープ練習)
● 22:00 消灯

“体育会+専門学校+軍隊”のような濃い毎日です。


■ 消防学校が終わるとどうなる?

消防署に正式配属。
ここからが本当のスタートです。

● 消防隊
● 救急隊
● 救助隊
● 予防担当
● 通信司令

などに入り、実際の現場で経験を積んでいきます。


■ 消防学校を乗り越えるコツ(経験者の本音)

● とにかく「素直さ」と「謙虚さ」
● 大声を出し、全力で行動する
● 仲間と支え合う
● 目の前の訓練に集中する
● 体調管理を徹底する

これさえできれば、誰でも必ず成長できます。


■ まとめ

消防学校は、採用後に必ず通う「消防士の登竜門」。

  1. 危険な現場で生き残るための基礎を学ぶ
  2. 規律・チームワーク・礼節が身につく
  3. 座学も訓練もハイレベル
  4. 半年〜1年で一生の仲間ができる
  5. ここを乗り越えて、正式な消防士になる

消防学校は、
“命を扱うプロになるための最初の訓練場” です。

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