「救助隊(レスキュー)に救急救命士って必要なの?」
これは消防内部でもよく議論されるテーマ。
結論から言うと…
必要かどうかではなく、“いた方が圧倒的に強い”。
救助隊は救出のプロ、
救命士は医学的救護のプロ。
この2つが組み合わさることで、救助の質が大きく向上します。
■ 結論:救助隊に救急救命士がいると“救える命が増える”
救助現場は
● 交通事故
● 転落事故
● 挟まれ事故
● 山岳遭難
● 水難事故
● 吹き込み火災
など、医療の判断が必要な事故が多い。
そこに救急救命士が加わると…
● 生命危険の評価
● 外傷の重症度判定
● 気道・呼吸・循環の管理
● 適切な搬送方法の選定
救助と医療の“橋渡し役”になれる。
■ ■ 救助隊に救命士がいると強い理由 5つ
■ ① 外傷評価が圧倒的に早い
救助隊単体では
「見た目のケガ」から判断することが多い。
しかし救命士なら
● 内部出血の可能性
● ショック兆候
● 呼吸状態
● 意識レベル
など“医療的評価”が即できる。
これにより、
救助方法そのものが変わる。
■ ② “助け出す順番”の判断が正確
大規模事故では複数傷病者がいる。
救命士のトリアージ能力は強力。
● この人は急いで救出すべき
● この人は現場で処置が必要
● この人は救出後すぐ搬送
と優先順位が付けられる。
これは救助隊だけでは難しい判断。
■ ③ 救出後の命の安定がまるで違う
救助隊は救出がメイン。
救命士がいれば、救出“直後”に
● 酸素投与
● 血圧測定
● ストレッチャー適正化
● 気道管理
● 固定
● ショック対応
がすべてできる。
救助→医療がシームレスになる。
■ ④ 交通事故(挟まれ)での判断で最重要
交通事故の救助は“救助隊×救命士”が最強の組み合わせ。
例えば挟まれ事故では
● 挟圧解除ショック
● 循環虚脱
● 骨盤骨折
● 内出血
など医学的判断が必須。
救急救命士が横にいるだけで
救助戦術が根本から変わる。
■ ⑤ 山岳・水難救助でも大きな強み
● 低体温症
● 溺水
● 高所落下
● 脱水・熱中症
これらは初期の医療判断次第で救命率が変わる。
救助隊+救命士は
“山・川での黄金コンビ”。
■ 「救助隊には救命士は必要ない」という意見の理由
一部の消防本部では
● 人員不足
● 救助隊は救助技術が優先
● 医療行為は救急隊が担当する
という運用のため、
救命士が救助隊に“必須ではない”。
でもこれは
“制度上の都合”であり、現場の最適解ではない。
■ 現場のリアル:救急と救助はすでに“境界が曖昧”
交通事故・水難・山岳など、
救助と救急の境界線は年々あいまい。
本当は
救助+医療=ワンチーム
になるべき。
実際、大都市消防・政令市では
救助隊に救命士を配置する流れが増えている。
■ まとめ
救助隊に救急救命士は必要か?
結論:
「必須ではない」けれど、 “いた方が圧倒的に救命力が上がる”。
- 外傷評価が早い
- トリアージが正確
- 救出直後の医療処置が強い
- 交通事故での判断が重要
- 山・水難で大きな効果
救助隊 × 救急救命士=最強の実戦チーム。
救える命が確実に増える組み合わせです。

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